アグリテック企業は1,703社に増加、最新検索データベースが公開

(ブラジル)

サンパウロ発

2022年12月02日

ブラジル農牧研究公社(EMBRAPA)(注1)、SPベンチャーズ(注2)、オモ・ルーデンス(注3)は、1123日付でブラジルにおけるアグリテック企業の所在地分布やビジネス領域などについて解説した調査報告書「ハダール・アグテック2021/2022PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)を公開した。

本報告書では、農業生産者などの利用目的に応じてアグリテック企業を検索しやすくすることを狙いとしており、前年に引き続き検索データベース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますもアップデートした。所在州・市別、農地での生産前・生産中・生産後の各段階別でソリューションを提供するビジネス領域別に該当するアグリテック企業を抽出することが可能だ(注4)。

同報告書によれば、最新の在ブラジル・アグリテック登録企業数は1,703社で、前回調査「ハダール・アグテック2020/2021」の1,574社から129社増加した。所在地の分布に注目すると、サンパウロ州を含む南東部が1,046社で全体の61.4%を占める。ビジネス領域別では、前年に引き続き「革新的な食品、新しい食品トレンド」へのソリューションが281社で全体の16.5%となった。「マーケットプレイス・ビジネスプラットフォーム」へのソリューションを提供するアグリテック企業の割合は124社で全体の7.3%となった(前年比0.9%増)。同報告書では、新型コロナ感染拡大以降に農業分野でもビジネスモデルのデジタル化が加速している、と解説している(2022年7月26日記事参照)

農地での生産前・生産中・生産後の各段階別では、「生産後」のソリューションを提供するアグリテック企業が756社で最も多く全体の44.4%を占めている。

「革新的な食品、新しい食品トレンド」や「マーケットプレイス・ビジネスプラットフォーム」に関するソリューションを提供する企業は「生産後」の分類に相当する。「革新的な食品、新しい食品トレンド」の一例を挙げると、今回の調査では、例えば、キノコの成分を使った発酵飲料を開発している、北東部ペルナンブコ州に所在するFungiNE外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが新たに加わった。また、「マーケットプレイス・ビジネスプラットフォーム」では、北東部バイーア州に所在するAproxima Grãos外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが、農業生産者が大豆、トウモロコシなどをプラットフォーム上で売り出し、国内の買い取り希望者をマッチングするサイトを運営している。この企業も、今回新たに加わった。

(注1)ブラジル農業・畜産・供給省と密接に連携し、食品・繊維・エネルギー生産のために熱帯環境下でのブラジルの農業や畜産の研究・開発を進める組織。

(注2)ブラジルのアグリテック企業に多数投資実績のあるベンチャーキャピタル。

(注3)クリエイティブでデジタル化した経済に向けたブラジルのコンサルティング、調査、講演などを行う企業。

(注4AND条件が可能で、探し求めるアグリテック企業をより細かく検索できる。調査報告書、検索データベースともにポルトガル語のみ。

(古木勇生)

(ブラジル)

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