LNGや水力発電に係る大規模プロジェクトが進行
(モザンビーク)
マプト発
2022年12月22日
モザンビークでは2022年、非開示債務問題が発覚した2017年以降停止されていたIMFからの財政支援が5月に再開された(2022年5月20日記事参照)。8月には付加価値税(VAT)の税率引き下げなどの経済刺激策や、投資法と労働法の見直しによる外国投資の促進策を盛り込んだ「経済加速パッケージ(PAE)」を発表(2022年8月19日記事参照)するなど、政府は経済の底上げに尽力する方針だ。
こうした中、同国では主要産業の天然ガス開発が進んでいる。北部カーボデルガード州で11月23日、エリア4コーラル・サウス浮体式LNG(液化天然ガス)生産ユニット(FLNG)の開所式が実施され、フィリペ・ニュシ大統領のほか、カルロス・ザカリアス鉱物資源エネルギー相らが参加した。同州北部沖合で2012年に大規模ガス田が発見されて以降、LNG開発は同国の経済成長を加速させるものとして大きな期待が寄せられてきた。エリア4コーラル・サウス鉱区は同地域で開発が承認された3つのLNG開発プロジェクトの1つで、開所式に先立つ11月13日には、同鉱区の開発を主導するイタリア資源大手エニがFLNGの初出荷を発表した(2022年11月18日記事参照)。
また、同国では、発電容量1,500メガワット(MW)、総投資額約45億ドルとされる大規模水力発電所ムパンダ・ンクワの建設に向けた入札が大詰めを迎えている。同発電所は官民パートナーシップ(PPP)により建設される予定で、9月には入札事前参加資格審査を通過した7事業者に対し、政府主催による公式会合とサイトビジットが実施された。日本から住友商事と関西電力が参加している。応札締め切りは2023年3月10日だ。
(松永篤)
(モザンビーク)
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