アビジャン港、第2コンテナターミナル供用開始で物流機能強化へ

(コートジボワール)

アビジャン発

2022年12月19日

西アフリカ地域で最大の貨物取引量を誇るコートジボワールのアビジャン自治港(PAA)で12月2日、コンテナ取り扱い機能強化を目的として2015年に着工(注)した第2コンテナターミナル(TC2、2022年3月4日記事参照)の供用開始式典が行われた。

新ターミナルは、敷地面積37.5ヘクタール、1万4,000TEU(1TEU=20フィートコンテナ換算)級の大型コンテナ船が接岸可能な16メートルの喫水、延長1,100メートルの岸壁を整備している。また、高規格のガントリークレーンやトランスファークレーンなどの導入により、効率的な荷役が可能な最新搬送設備を備えている。年間150万TEUのコンテナ取り扱いが可能となる。これによりPAAのコンテナ取り扱い能力は、年間100万TEUの第1コンテナターミナルと合わせて250万TEUに拡大する。

アマドウ・コネ運輸相は式典で、TC2プロジェクトの投資総額が5,960億CFAフラン(約1,311億円、1CFAフラン=約0.22円)となったほか、政府は過去10年間で1兆1,000億CFAフランをかけて大規模な港湾近代化・改修プロジェクトを推進してきたと表明した。TC2プロジェクトでは、投資総額のうち3,340億CFAフランが土地の造成・埋め立て工事に、2,620億CFAフランが建築設備に投じられてきた。それぞれPAAとコンセッション方式で事業運営を担うコートジボワールターミナル(ボロレ・ポーツとAMPターミナルズのコンソーシアム)が融資している。

PAAは国内貨物の9割を取り扱うほか、設備規模・能力、輸送インフラの利便性や地理的優位性から、西アフリカ地域の海上輸送の中継基地としての役割を担う。しかし、同地域では、人口増加や経済活動の活発化により貨物需要の拡大が予想されることから、貨物取り扱い能力と物流機能の強化が急務となっていた。TC2の供用開始により、大型船による安定的かつ効率的な輸送が可能となったことから、地域物流拠点としての機能が強化され、今後、国内だけでなく地域内陸国の貿易拡大に寄与することが期待される。

なお、PAAの2021年取り扱い貨物量は新型コロナウイルス感染拡大時から回復し、前年比11.2%増の3,005万トンと過去最高を記録した。このうち、国内向け貨物が10.4%増の2,650万トン、ブルキナファソやマリなど内陸諸国向けトランジット貨物が22.8%増の304万トン、積み替え貨物が6.0%減の51万トンと、コンテナ貨物が3.6%増の79万TEUとなっている。

(注)2015年に第1ステップの造成、埋め立て工事に着工。2020年に第2ステップとなる建築、設備工事に着工。

(渡辺久美子)

(コートジボワール)

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