アビジャン港、2022年11月には第2コンテナターミナル操業予定

(コートジボワール)

アビジャン発

2022年03月04日

コートジボワールのアビジャン自治港(PAA)にある第2コンテナターミナル(TC2)の建設工事を進めるコートジボワール・ターミナルのコーエン・デ・バッカー社長は2月22日の記者会見で、2020年に着工したターミナルの進捗状況について、2022年1月末時点で6割が完了しており、同年11月には操業を開始できるとの見通しを明らかにした。なお、コートジボワール・ターミナルはTC2の開発・運営権を取得したデンマークAPMターミナルズとボロレ・ポーツで構成されるコンソーシアムに参画している。

埋め立て工事で面積が37.5ヘクタールに拡張される同ターミナルでは、深さ18メートルの埠頭(ふとう)のほか、1,100メートルの岸壁を設置する。加えて、トランスファークレーン13基、ガントリークレーン6基、電動ターミナルトラクター36台を導入する計画だ。完工すると、1万5,000TEU(1TEU=20フィートコンテナ換算)級のコンテナ船の入出港が対応可能となり、PAAのコンテナ取扱能力は年間250万TEUに拡大する。また、港湾のカーボンニュートラルの実現、グリーン化の推進を目指している。投資総額は5,120億CFAフラン(約1,024億円、1CFAフラン=約0.2円)で、うちコートジボワール政府が2,500億CFAフラン、APMターミナルとボロレ・ポーツが2,620億CFAフランを拠出する。建設は中国港湾工程(CHEC)が請負う。

西アフリカ地域の物流拠点であるPAAの2020年貨物取扱量は、新型コロナウイルス禍の影響により、2,535万トンと前年比1.5%減少したものの、2021年は11.7%増の2,830万トンが見込まれる。近年の同地域における経済活動の活発化に伴い、今後、貨物量の増加が予想されることから、港湾設備の拡張が急務となっている。

PAAでは、TC2と並行して、バルク輸送のコンセッション事業を手掛けるベルギーのシーインベストがバルクターミナルの拡張に着手している。同社は2020年に1,100万ドルを投じて岸壁の水深を12メートルにしたことで、PAAのバルク貨物船受け入れ能力を従来の3万5,000トンから5万トンに増強した。翌2021年には6,300万ドルを投資し、12ヘクタールの敷地に喫水14メートルの岸壁2バースを整備中だ。新しい埠頭は農業と工業用途のバルク貨物専用(肥料、クリンカー、鉱物など)として運営する予定となっている。また、同社は近く、3,800万ドルを投じて、アビジャン西部のヨプゴン地区とアニヤマ地区にまたがるバルク物流拠点の構築を計画している。これによって港湾地区の混雑が緩和され、輸送コストの引き下げにつながることが期待される。同社は、コートジボワールでマンガン、ボーキサイト、ニッケル、亜鉛、セメント原料などのドライバルク貨物を取り扱っている。

(野澤俊明、渡辺久美子)

(コートジボワール)

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