西アフリカ諸国中央銀行が利上げを実施、2022年に入り3回目
(セネガル、西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA))
アビジャン発
2022年12月20日
フランス語圏西アフリカ諸国を中心に8カ国(注)が加盟する西アフリカ諸国中央銀行(BCEAO)は12月9日、セネガルの首都ダカールで開催された金融政策委員会で、中期的な物価上振れリスクを考慮し、12月16日付で政策金利を0.25ポイント引き上げることを決定した。BCEAOが市中銀行に資金を貸し出す金利は、現行の2.50%から2.75%に引き上げられる。
BCEAOのプレスリリースによると、今回の決定は、2022年に入り6月と9月(2022年9月26日記事参照)に続く3度目の利上げとなる。西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)地域のインフレ率を中期的に地域の収斂(しゅうれん)基準(1~3%)内に緩やかに抑制する効果が期待されている。
UEMOA加盟国のインフレ率はここ数カ月にわたり上昇を続けており、10月には第2四半期の7.0%から8.4%に達した。これは主に、国際市場における原油価格の高騰を受け、UEMOA加盟各国が石油製品の小売価格を見直したため、食料品や輸送費の価格が上昇したことによる。価格変動の大きい生鮮食品とエネルギーを除いた物価の基調的な推移を示すコアインフレ率も、同月に5.4%を記録するなど高止まりしている。
一方、UEMOA域内の銀行の流動性は引き続き適切な水準にあり、銀行部門の与信残高は10月末時点で16.5%増加している。
BCEAOは、金融の安定を確保するために、今後数カ月にわたり、必要に応じて適切な措置を講じるとしている。
(注)ベナン、ブルキナファソ、コートジボワール、ギニアビサウ、マリ、ニジェール、セネガル、トーゴ。
(野澤俊明、渡辺久美子)
(セネガル、西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA))
ビジネス短信 69c4db9a02f03ca2