西アフリカ諸国中央銀行が利上げ、インフレ対策の一環で金融引き締め

(セネガル、西アフリカ)

アビジャン発

2022年09月26日

フランス語圏西アフリカ諸国を中心に8カ国(注)が加盟する西アフリカ諸国中央銀行(BCEAO)は914日、セネガルの首都ダカールで開催した金融政策委員会で、916日から政策金利を0.25ポイント引き上げることを決定した。これにより、BCEAOが市中銀行に資金を貸し出す場合の金利は現行の2.25%から2.50%となる。

BCEAOによると、6月の利上げに続く今回の決定により、西アフリカ経済通貨同盟(UEMOA)地域は域内のインフレ率を中期的に目標基準(13%)内に緩やかに抑制することを目指しており、金融引き締めにかじを切ったかたちだ。

UEMOA地域におけるインフレ率は、食糧生産の減少、一部地域における治安悪化によるサプライチェーンの混乱や、ウクライナ情勢によるエネルギー・食料品価格の上昇などの影響で高止まりしており、2022年第1四半期の6.4%から第2四半期は7.0%に上昇し、7月には8.1%に達した。

BCEAOは、農産物の収穫が今後、良好になると見込まれることから、第4四半期以降は、状況が好転するとみており、UEMOA地域におけるGDP成長率についても2022年に5.8%、2023年には7.0%に達すると予想する。一方、地域の治安悪化や天候不順による農産品の生産減少が下振れリスクになると指摘しており、今後も金融の安定を確保するために、必要に応じた措置を講じるとしている。

(注)ベナン、ブルキナファソ、コートジボワール、ギニアビサウ、マリ、ニジェール、セネガル、トーゴ。

(野澤俊明、渡辺久美子)

(セネガル、西アフリカ)

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