ジェトロ、コスモプロフ・アジアへ3年ぶりにリアル出展

(シンガポール、香港、世界、日本)

海外市場開拓課

2022年12月21日

アジア最大規模の国際美容展示会「コスモプロフ・アジア(Cosmoprof Asia)」が111618日にシンガポール・エキスポで開催された。新型コロナ禍の影響により3年ぶりのリアル開催となった。103の国や地域から2万人を超える来場者でにぎわった。

ジェトロは、広報・展示を主としたジャパンパビリオンを設けた。現地に渡航し出展した日本の美容・化粧品関連の中小企業は8社で、その他、10社がサンプル展示を行った。基礎化粧品はじめ、化粧品の包装資材事業やOEM事業を手掛ける企業が参加した。会期初日および2日目にはインフルエンサーのインスタグラム・アカウントを通じたライブ配信を行い、出展者のブランドや商品をアピールした。その結果、会期中の成約・成約見込み件数は約300件に達した。

写真 インフルエンサーのライブ配信の様子(ジェトロ撮影)

インフルエンサーのライブ配信の様子(ジェトロ撮影)

1996年に香港で始まったコスモプロフ・アジアは、2019年を最後に2年間リアルでの開催を休止していた。2022年は、特別版としてシンガポールで3年ぶりにリアル開催された。開催地が香港からシンガポールに変更になったため、会場では従来最も多かった中国人バイヤーにかわり、タイ、インドネシア、マレーシアなどの東南アジアをはじめ、インドやオーストラリアからのバイヤーが多く見られた。また、トルコやドバイなど中東地域からも日本ブランドなどの商品探しを目的にバイヤーが来場した。参加者からは、東南アジアという新たな市場開拓の可能性を見いだせたという声がある一方で、中国市場に比べて1件当たりの受注量が少ない、購買力の高いバイヤーが多いとは言えない、という意見もあった。

なお、新型コロナ禍前からの同リアル展への来場者数は、2018年が87,284(香港)2019年が446(香港)2020年から2021年にかけては休止(オンライン開催)、2022年が21,612(シンガポール)だった。香港における2018年から2019年にかけての来場者減少および中止に関しては、新型コロナ禍によるものと政治情勢が要因で、リアル展回帰となった2022年のシンガポール展を機に今後、来場するバイヤーの数は戻っていくとみられる。

写真 商談の様子(ジェトロ撮影)

商談の様子(ジェトロ撮影)

バイヤーはオフライン商談に注力か

ジェトロは2021年に引き続き、2022年も6月27日~7月5日および11月21~25日にジャパンパビリオンへ参加した25社限定のオンライン商談会を開催した(2021年12月8日記事参照)。シンガポールで行われたリアル展示会での商談数と比較して、オンライン商談を希望するバイヤーは減少傾向にある。新型コロナウイルス関連の行動制限緩和が進むにつれて、世界各地でリアル展示会が再開されている。バイヤーは明らかにオフライン(リアル参加)へとシフトする傾向にある。

(大東千潤)

(シンガポール、香港、世界、日本)

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