カナダ、使い捨てプラスチック禁止規制が施行

(カナダ)

トロント発

2022年12月23日

カナダで12月20日、「使い捨てプラスチック禁止規制」の施行が始まった外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。カナダ政府は6月、同規制の最終版を公表し(2022年6月20日記事参照)、一部の商品分野を除いて、製造や輸入は2022年12月20日、販売は2023年12月20日、輸出は2025年12月20日付で禁止となることを明らかにしていた。

同規制では、レジ袋、ナイフ・フォーク・スプーン類、リサイクル困難な外食の持ち帰り用の容器、缶ボトル携帯用リング、かき混ぜ棒、ストロー(医療上などの一部例外あり)の6商品分野への使い捨てプラスチック使用が禁止される。

施行を前にした2022年12月17日の会見で、カナダ政府のスティーブン・ギルボ環境・気候変動相は「われわれはプラスチック汚染を減らし、野生生物とその生息地を保護するための世界的な取り組みに加わっている。プラスチック汚染のない世界と、生物多様性に富んだ持続可能な世界との間には、明確なつながりがある」と述べた。

他方、飲食サービスの業界団体であるレストラン・カナダは12月15日、施行に先がけ「プラスチック以外の同等品に置き換えることでプラスチックを削減することは、特定の必需品では選択肢となり得る。使い捨てプラスチック製のナイフ・フォーク・スプーン類、かき混ぜ棒、ストローの場合、木材、紙、成形パルプ繊維など、さまざまな非プラスチック材料から作られた選択肢が存在する。有害プラスチックを使用した使い捨ての食器類は、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリプロピレンから作られた容器など、よりリサイクル性の高い代替品に置き換え可能だ」と、会員企業各社へ代替方法について提案した。

カナダ政府は、2030年までのプラスチック廃棄物ゼロを目標として掲げる中、本規制の施行により、今後10年間でリサイクルが困難なプラスチック廃棄物を130万トン以上、プラスチック汚染を2万2,000トン相当分以上削減できると推定している。

(飯田洋子)

(カナダ)

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