米国で鉄道ストライキ回避、バイデン米大統領が法案に署名し成立

(米国)

ロサンゼルス発

2022年12月05日

米国のジョー・バイデン大統領は12月2日、鉄道ストライキを阻止する法案に署名した。これにより、鉄道労働者と運行会社は、暫定合意に拘束されるため、ストライキなどによって鉄道機能が停止する事態は回避された。法案は、連邦下院で11月30日に、上院で12月1日にそれぞれ通過していた。

法案への署名に先立って発表された声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、バイデン大統領は「雇用を守り、何百万もの労働者世帯を被害や混乱から守り、年末年始のサプライチェーンを安定させ、これまで積み上げてきた経済面での前進を継続させるためには、現時点では正しい判断だった」と述べ、迅速に法案を成立させた連邦議会を評価した。

米国鉄道業界では、2020年1月から主に賃上げを争点とした労使交渉が、貨物鉄道会社と従業員の労働組合の間で継続しており、2022年9月15日にバイデン政権の仲介の下で労使交渉に参加する全組合と鉄道会社による暫定合意が締結された(2022年9月16日記事参照)。その後、各組合で暫定合意を承認するプロセスが進められたが、2万8,000人を超える組合員が所属する板金・航空・鉄道・運輸組合輸送部門(SMART-TD)の一部を含む4組合が暫定合意を否決したため、12月9日から鉄道ストライキに発展する懸念が高まり、バイデン大統領は連邦議会に介入を要請していた(2022年11月30日記事参照)。

(永田光)

(米国)

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