デリー・コミコン開催、日本のコンテンツが人気

(インド)

ニューデリー発

2022年12月21日

インド・ニューデリー市内の展示会場で12月9~11日、「デリー・コミコン(10th Delhi Comic Con)」が開催された。同イベントは、コミコン・インディアが主催するコミックや映画などをテーマとした展示会で、デリーのほかインド複数都市で毎年開催されていたが、新型コロナ禍以降3年ぶりの開催(2020~2021年は中止)となった。今回、映画やアニメ、ゲームなどのコンテンツや関連製品を扱う企業約100社が出展、主催者コメントによると、3日間で約4万5,000人が来訪した。

日系企業では、マルチ・スズキ・インディアがイベントの公式スポンサーとして参加、VR(バーチャル・リアリティ)用ゴーグルを使った新車のバーチャル試乗などの展示を行った。また、バンダイナムコは現地代理店を通じて、「ドラゴンボール」「ワンピース」「鬼滅の刃」「呪術廻戦」などのアニメキャラクターのフィギュアやグッズを出品した。

会場の様子について、バンダイナムコ・インディア(本社:ムンバイ)取締役兼最高執行責任者(COO)の八木健夫氏は「以前の開催時は、ハリウッド映画やマーベル・コミック作品など米国系のコンテンツが多い印象だったが、新型コロナ禍以降は日本のコンテンツを扱うブースや日本のキャラクターのコスプレーヤーの数が圧倒的に増えた。当社の商品も非常に人気が高く、連日、身動きがとれなくなるほどの来場があった」とコメントした。一方、非正規ライセンス品や模倣品も多くみられ、同社としても対応に苦慮しているという。現地の人気と需要に対して、日本からの正規品の流通が不足している現状を示しつつも、知財面での取り締まりには課題がみられる。

インドでは、前述の作品群のほか、新海誠監督の「天気の子」が現地の映画館でも上映されており、人気を博している。映画・アニメ分野だけでなく、ゲームや音楽などさまざまな日本のコンテンツにも拡大の余地があるとみられる。なお、ジェトロは今年度「インドのコンテンツ産業市場調査」レポートを作成、公開している。

写真 人気を集めた日本のコミックスブース(ジェトロ撮影)

人気を集めた日本のコミックスブース(ジェトロ撮影)

写真 バンダイナムコのブランド「バンプレスト」のブース(ジェトロ撮影)

バンダイナムコのブランド「バンプレスト」のブース(ジェトロ撮影)

(酒井惇史)

(インド)

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