アフリカ支援に向け基金への資金拠出発表、グリーン分野の支援も進む

(英国、ケニア)

ロンドン発

2022年12月15日

英国のジェームズ・クレバリー外務・英連邦・開発相は12月7日、訪問中のケニアで、アフリカ開発基金(ADF)への拠出を発表した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。今後3年にわたり6億5,000万ポンド(約1,086億円、1ポンド=約167円)を拠出する。これには国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)で発表されたアフリカ開発銀行(AfDB)の気候変動対応ウインドー(Climate Action Window:CAW)への2億ポンド規模の拠出金も含まれている(2022年11月9日記事参照)。今回の支援により、2,000万人への電力アクセス、3,000万人以上の衛生環境の改善、230万人の雇用の創出につなげるとしている。

英国は1970年代から、国際開発省(現外務・英連邦・開発省)を通じて、AfDBグループで譲許的融資を行うADFに参画してきた。また、英国はAfDBの他の基金にも参画、1,000万ポンドを「アフリカ持続可能エネルギー基金(The Sustainable Energy Fund for Africa)」に拠出し、地域にクリーンエネルギーを提供するミニグリッドへの投資を支援する。

また、リシ・スナク首相とケニアのウィリアム・ルト大統領はCOP27期間中の11月7日、同国における5,000億ケニア・シリング(約5,500億円、1ケニア・シリング=約1.1円)規模のグリーン投資プロジェクトを迅速に行うことで合意した。外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます主なプロジェクトとしては、タナ川での水力発電および灌漑プロジェクトや、ビクトリア湖周辺での気候変動に対応した農作物や農産業の処理工程に関するプロジェクトなどが挙げられる。このほか、英国企業による新駅の設計なども含めた、ナイロビ中心部のグリーン再生プロジェクトなど6つのプロジェクトが対象となる。

ナイロビ新駅の建設を着手するにあたり、英国の政府系開発金融ブリティッシュ・インターナショナル・インベストメント(BII)とアフリカ保証基金(AGF)は12月7日、アフリカのグリーン経済発展と雇用創出の支援に向けて、リスクシェアリング契約を結ぶと発表した。これにより、両機関はそれぞれ、提携先金融機関の中小企業向け融資の25%を保証するとしている。

(レイナー・あや)

(英国、ケニア)

ビジネス短信 3ff900f7e1ae1830