カナダのシャンパーニュ・イノベーション・科学・産業相が日韓を訪問、EV業界にカナダ投資をアピール

(カナダ、日本、韓国)

米州課

2022年12月02日

カナダのフランソワフィリップ・シャンパーニュ・イノベーション・科学・産業相は1125日、21日からの訪日・訪韓を終えたことを発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。シャンパーニュ大臣は7月上旬にも東京や名古屋、大阪を訪れ、萩生田光一・前経済産業相や日本企業の幹部らと会談しているほか(2022年7月8日記事2022年7月12日記事参照)、9月にはトルドー首相の代理での安倍晋三・元首相国葬の出席でも訪日するなど(2022年10月5日記事参照)、2022年夏以降頻繁に訪日している。

発表によると、シャンパーニュ大臣は名古屋訪問の際に、トヨタ自動車の元町工場を視察し、豊田通商の経営幹部と会談した。東京においては、人工知能(AI)に関する官民国際連携イニシアティブの年次総会であるGPAI(ジーペイ:The Global Partnership on Artificial Intelligence)の年次サミットにカナダ代表団を率いて出席したほか、三井物産およびパナソニックエナジーの経営幹部と会談を行った。さらに、カナダの電気自動車(EV)バッテリーエコシステムへの投資について、電池サプライチェーン協議会の会員企業と会議したことにも触れている。

シャンパーニュ大臣のツイッターでは、これらの会議への出席や日本企業関係者との会談に加え、河野太郎デジタル相・国家公務員制度担当・内閣府特命担当相(消費者および食品安全)とも会談したことが報告されている。

写真 シャンパーニュ・イノベーション・科学・産業相のツイート

シャンパーニュ・イノベーション・科学・産業相のツイート

シャンパーニュ大臣は、次いで訪問した韓国で、李昌洋(イ・チャンヤン)産業通商資源部長官ら政官界要人やSKアイイーテクノロジー、ポスコグループ、現代自動車、サムスン電子、LGエナジーソリューションなど、OEMEVバッテリーに関係する企業の代表らと会談を行った。また、韓国貿易協会とカナダ、韓国のビジネス・ラウンドテーブルを共催したことや、韓国産業連盟主催のイベントに参加したことも発表している。

シャンパーニュ大臣は「太平洋に面する国として、カナダは、インド太平洋地域が、カナダ人の長期的な繁栄と経済安全保障にとって非常に重要であることを認識している。カナダ政府は、科学、研究、イノベーション、AIの分野におけるパートナーシップを強化しつつ、経済の強靭(きょうじん)性を構築し、カナダ、日本、韓国の企業に新たな市場機会を提供するために、戦略的関係を深めることを楽しみにしている」と述べている。

シャンパーニュ大臣は過去の訪日の際にも、EVやバッテリー関連産業で、カナダが「グリーンサプライヤー」として選ばれ得る存在であることを、関連企業関係者の会談を通じてアピールしており、今回も、日韓両国において、同分野の投資誘致に向け積極的に動いたもようだ。カナダの日韓両国との関係強化については、カナダ政府が1127日に発表したインド太平洋地域戦略にも盛り込まれており、重要鉱物、水素、クリーンエネルギーを強化し、カナダを信頼のおけるエネルギー安全保障パートナーとして位置付けることや、日本や韓国の需要増加によってもたらされる新しい機会に向け取り組むことなどが記されている(2022年11月29日記事参照)

(高山さわ)

(カナダ、日本、韓国)

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