カナダのシャンパーニュ・イノベーション・科学・産業相が約1週間日本に滞在、EVや電池などへの投資求める

(カナダ、日本)

米州課

2022年07月12日

カナダのフランソワフィリップ・シャンパーニュ・イノベーション・科学・産業相は78日、約1週間の日本滞在を総括したニュースリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。それによると、シャンパーニュ大臣は滞在中、自動車や電機など主要業界の経営幹部らと直接面会し、カナダは信頼性と安定性が高く、投資先として魅力的であることを訴えたという。

シャンパーニュ氏は東京、名古屋、大阪を訪問し、スバル、ホンダ、トヨタ、日産などの自動車業界のほか、パナソニックエナジー、日立エナジー、三菱重工業など電池や半導体を含む電機業界の経営幹部とも会談した。同氏にとって、特に現在の地政学的・経済的状況において、サプライチェーン確保とグリーン化を目指すこれら企業に対して、カナダがグリーンサプライヤーの投資先として選択されるべきであることを示す絶好の機会となったとしている。

シャンパーニュ大臣は萩生田光一経済産業相とも会談した(202278日記事参照)。両大臣は、新たなテクノロジーがイノベーションを推進することで世界における気候変動目標の達成が可能となる2国間や多国間協力の可能性について協議した。シャンパーニュ氏はまた、インド太平洋地域のルールに基づく経済秩序を促進するために日本と協力していくことをあらためて表明した。

1週間にわたる訪日の締めくくりとして、シャンパーニュ氏は経団連の会員企業との円卓会議に出席した。同氏はその中で、カナダにおける電気自動車(EV)のバッテリーに関するサプライチェーンの確立を含め、2050年までに温室効果ガス排出量をゼロにするというカナダの目標のほか、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)に基づく新たなビジネス機会についても述べた。カナダ政府はリリースの中で「日本企業にカナダを通じて北米市場へのアクセスを提供するもの」としている。

なお、シャンパーニュ氏は訪日中、多数のツイートを投稿しているが、78日には安倍晋三元首相に対する襲撃事件発生直後に「安倍元首相のショッキングで悲しい事件のニュースを知った。私の思いは、安倍氏と彼を愛する人々とともにある」とツイートしている。

(高山さわ)

(カナダ、日本)

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