11月のインフレ率は前月比0.41%、交通・運輸と飲食料品が押し上げ

(ブラジル)

サンパウロ発

2022年12月19日

ブラジル地理統計院(IBGE)は12月9日、代表的な物価指数である拡大消費者物価指数(IPCA)の11月の上昇率を前月比0.41%と発表した(添付資料表参照)。10月の0.59%より低下したが、2022年1~11月累計では5.13%の上昇率となり、中央銀行の2022年のインフレ目標上限値である5%を超過した。

前月比の上昇率を費目別にみると、9項目中7項目が上昇した。最も上昇率が高かったのは、前月に引き続き衣類(1.10%)で、交通・運輸(0.83%)、飲食料品(0.53%)と続いた。寄与度でみると、衣類は0.05ポイントにすぎず、交通・運輸(0.17ポイント)および飲食料品(0.12ポイント)が高い。

IBGEは12月9日付公式プレスリリースで、交通・運輸の上昇は燃料価格の上昇に基づくものと説明した。これは、エタノールの原料となるサトウキビが次の収穫に向けた準備期間となっており、ガソリン価格が上昇したためだ。ブラジルではガソリンにエタノールを混合する燃料で走行する四輪車が一般的であることから、エタノールの供給量が減ることでガソリン価格も影響を受けることになる。

飲食料品をみると、既に10月にも価格が上昇していたタマネギやトマトに加え、フルーツやコメの価格上昇などが押し上げ要因になった。IBGEのペドロ・キスラノフ調査部長は「タマネギは、北東部に加えて南東部のサンパウロ州やミナスジェライス州からの供給量も少なくなったものの、海外から不足分を補うまでの状況ではない。トマトは、天候による影響を受け冬の収穫量が少なくなった」と説明した。

(古木勇生)

(ブラジル)

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