山東省、新型コロナに係る防疫措置を緩和へ

(中国)

青島発

2022年12月09日

中国の山東省衛生健康委員会は12月4日、新型コロナウイルス防疫措置の合理化に関する通知を発表した。防疫措置の緩和につながるもので、12月5日午前0時から施行された。概要は下記のとおり。

  1. インターネットや薬局で解熱剤、せき止め、抗ウイルス薬、抗生物質などを購入する際にPCR検査陰性証明(以下、陰性証明)の確認や実名登録を行わない。
  2. 交通ターミナル(駅や空港など)や港、高速道路の料金所などで実施されてきた強制的なPCR検査を中止し、希望者のみに対して引き続き検査を行う。
  3. 公園や観光地、サービスエリアなどの公共の場所を訪れる際、また地下鉄やバス、タクシーなどの公共交通機関を利用する際に、健康コードおよび陰性証明の確認は行わない。

一部の施設では引き続き健康コードや陰性証明の提示が必要

青島市では11月初旬に新型コロナウイルスの感染が拡大し、厳格なPCR検査が行われていた(2022年11月14日記事参照)。同市は今回の通知を受け、同市で公共交通機関を利用する際、また青島膠東国際空港に入場する際の健康コードや陰性証明の提示は不要となった。12月8日時点で同市のショッピングモールやスーパーなどの商業施設、またオフィスビルに入場する際も、有効期間を定めた陰性証明の提示は不要となった。ただし、陽性者や高リスク地域からの来訪者ではないことを示すために、引き続き入り口で場所コードを提示する必要がある。また、老人ホームや医療機関、幼稚園、小中学校などの特定の場所では、引き続き健康コードや48時間以内の陰性証明の提示が求められる。

今回の緩和の影響から、市内ではPCR検査場の削減や検査実施時間帯の短縮が行われた結果、PCR検査場に長蛇の列ができる、自分の順番が来る前に終了時間となり検査を受けることができないといったトラブルが発生しており、今後のより良い運用が期待されている。

山東省衛生健康委員会の発表によると、12月7日における同省新規感染者数(注)は43人、無症状感染者は425人だった。

(注)国内症例のみ。

(董玥涵)

(中国)

ビジネス短信 2705400e1cedbcdd