バングラデシュ中銀、郷里送金に係わる規制を緩和

(バングラデシュ)

ダッカ発

2022年12月07日

バングラデシュ中央銀行は11月29日、海外出稼ぎ労働者による郷里送金に係る規制を緩和し、バングラデシュにおいて事業ライセンスを有するモバイル金融サービス(MFS)プロバイダーが、海外で認可されたオンライン決済・銀行・デジタルウォレットなどの事業者との提携のもと、郷里送金を実行することを可能とする旨を発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。

今般の措置において、MFSプロバイダーは、上記の海外事業者のプラットフォームを通じた海外から、バングラデシュへの郷里送金を当該送金者のバングラデシュ国内MFS口座において、相当額のタカで受給できるよう手配する。当該送金手続きの完了後には、当該送金者は海外からでも同MFS口座において全てのタカ取引を行うことができるようになり、例えば自身のMFS口座から故郷の家族が有するMFS口座への送金が可能となる。本制度への参画を希望するMFSプロバイダーは2022年12月31日までに、提携先や制度計画の詳細を中央銀行に提案・申請する必要がある。2021年にソフトバンクグループが株式を取得したビー・キャッシュ(bKash)は国内有数のMFSプロバイダーで(2021年11月24日記事参照)、bKashを通じた郷里送金は公式な送金ルートとして、従来から可能とされていた。

本規制緩和の背景として、海外からの送金チャネル拡大を通した郷里送金の促進があるだろう。バングラデシュの2021/2022年度(2021年7月~2022年6月)の郷里送金額は前年同期比15%減の210億ドルだったところ、2022年7~8月には復調基調がみられたが、9月、10月それぞれの郷里送金額は、8月単月比で約25%減と低調だ(2022年12月2日記事参照)。報道によると、11月は15億9,000万ドルと前年同月比2.6%増となったものの、郷里送金は外貨準備高にも直結するため、本措置を含め今後の関連動向が注目される。

(山田和則)

(バングラデシュ)

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