ジェトロ、上海で知的財産権セミナー開催、裁判制度を解説

(中国)

上海発

2022年12月09日

ジェトロは1130日、中国の上海市高級人民法院から講師を招き、在中国日系企業向けに「知的財産権訴訟関連制度」セミナーを開催した。同法院の唐震副裁判長が知的財産権の裁判の概況や、知的財産権紛争の訴訟と調停、知的財産権訴訟に関する刑事・民事連携システム、知財刑事訴訟の認罪認罰制度について講演した。

唐震副裁判長は、2021年の上海市の知的財産権刑事関連の一審受理件数は979件に上り、浙江省442件と江蘇省557件の合計に近くなっており、上海市の全区が知的財産関連の案件を管轄できることや、訴訟対象金額の制限がないことを背景に、多くの権利者が上海市の裁判所を選択し、一審の法定審理期間は6カ月、二審は3カ月、法定審理期間内の結審率は98%以上と説明した。

2021年の知的財産権訴訟種別としては、著作権が61.7%と最も多くを占め、商標権22.7%、専利権7.1%、フランチャイズ契約3.7%、不正競争4.1%と続いた。判例として、中国史上最も賠償金が高額〔賠償金額15,900万元(318,000万円、1元=約20)〕だった「香蘭素」営業秘密侵害について解説した。

上海市高級人民法院上海市知識産権局は知的財産権に関する民事対応を効率的に行うメカニズムを導入しており、2021年に訴訟と調停を取り持った案件は全体の34.1%を占める18,164件で、調停の成功率は15%に達している。併せて、渉外案件への対応のため、同法院は世界知的所有権機関(WIPO)と協力して「WIPO仲裁調停センター」を20197月に設立した。また、同法院は刑事・民事連携システムを導入し、悪意のある訴訟を起こす者に対して、罰金や拘束、刑事責任を追及している。そのほかに、知的財産刑事事件で認罪認罰制度(法による寛大処分制度で、被告側が自分の犯行を自供し、犯罪事実を認め、処罰や量刑に同意した上で、当局が提示した書類への署名が必須)を運用していることも説明した。

参加者からは「中国の審判制度概要と現状が理解できた」「ほかでは聞けない話だった」「裁判官から意見やコメントを直接聞けたことは今後の考え方の指針になる」といったコメントが寄せられた。

ジェトロは今後も上海市高級人民法院と継続的に交流する予定だ。

写真 セミナーの様子(ジェトロ撮影)

セミナーの様子(ジェトロ撮影)

(陳貝蓓)

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