第3四半期のGDP成長率、前期比マイナス0.2%、穏やかな景気後退の始まりか

(オランダ)

アムステルダム発

2022年12月09日

オランダ中央統計局(CBS)は1115日、2022年第3四半期(79月)の実質GDP成長率(速報値)を前期比マイナス0.2と発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。2020年第2四半期(46月)のマイナス7.9%以来のマイナス成長となった。

需要項目別でみると、総固定資本形成が前期比1.7%減となり、GDP成長率を0.4ポイント押し下げた。これは主に住宅やインフラ投資の縮小によるもの。政府支出は0.1%減少したものの、家計支出は0.1%増だった。輸出と輸入はそれぞれ0.9%増、1.0%増と伸びた(添付資料表1参照)。

産業別にみると、金融(前期比2.6%減)や建設(1.1%減)、商業・運輸・外食(0.8%減)などがマイナス成長となった。一方、工業および採石業(3.9%増)、農林水産(1.9%増)、ビジネスサービス(1.1%増)がプラス成長だった。文化、レクリエーション、その他のサービスは0.5%減で、前期の30.5%増から大きく後退した(添付資料表2参照)。

CBS1115日に発表した非金融民間部門の企業に対する今後のビジネスへの期待などを表すビジネス信頼度は、2022年第4四半期(1012月)開始時点で前期比マイナス0.9ポイントで、2021年第1四半期(13月)以来のマイナスを記録した。

全ての主要部門でビジネス信頼度が低下しており、11部門のうち5部門でマイナスに転じた。特に宿泊・食品サービスと鉱業および採石業で景況感が悪化した(添付資料表3参照)。

オランダのING銀行は同日、投資の減少によって経済の縮小が進んでおり、穏やかな景気後退の始まりを示すと分析した。また、政府のエネルギー価格の上限設定などによる世帯・中小企業への補助政策(2022107日記事20221024記事参照)が今後の経済見通しのカギになるとした。

(浅見早映)

(オランダ)

ビジネス短信 19ede80869ac3212