米国人の多くが世界での米国の影響力低下を認識、シンクタンク調査

(米国)

米州課

2022年12月27日

米国では近年、自国の世界的影響力が低下していると認識している国民の割合が他国と比べて高いことがシンクタンクの調査でわかった。

米国のシンクタンク、ピュー・リサーチ・センターは12月22日、米国など19カ国における自国の世界的影響力の認識などに関する調査結果(注)を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。それによると、自国の世界的影響力が近年低下していると回答した割合は、米国は47%と19カ国で最も高かった。日本(43%)、フランス、英国(ともに39%)、スペイン、ハンガリー(同37%)、ギリシャ(36%)、イタリア(34%)、カナダ、韓国(同30%)が続いた。米国では支持政党別の違いが大きく、民主党支持者と民主党寄りの無党派層では37%が自国の影響力が低下したと回答したが、共和党支持者と共和党寄りの無党派層では63%と高かった。

自国の影響力が近年高まっているとの回答は、イスラエルが57%で最も高く、シンガポール(42%)、韓国(40%)が続いた。自国の世界的影響力がほぼ変わらないと過半数が回答したのは、スウェーデン(66%)、オランダ(60%)、オーストラリア(58%)、ドイツ(52%)だった。

また、与党を支持しない人で、自国の影響力が弱まっていると回答した割合が高く、与党を支持する人で弱まっているという割合との較差が大きかったのは次の国々だ。

  • ギリシャ:41ポイントの差(与党を支持する6%、支持しない47%)
  • ハンガリー:30ポイント差(20%、50%)
  • スペイン:29ポイント差(18%、47%)、
  • 韓国:24ポイント差(14%、38%)
  • カナダ:24ポイント差(12%、36%)

米国では、与党を支持しない人で自国の影響力が弱まっているとの回答が58%と高かったが、支持する人でも37%と比較的高く、較差は21ポイントだった。

自国の民主主義に満足していない人の方が、自国の影響力が弱まっていると回答した割合が高く、自国の民主主義に満足している人で弱まっているという回答との較差が大きかったのは、ハンガリー(43ポイント差)、カナダ(37)、ギリシャ(36)、フランス(29)、韓国(29)だった。

米国では、自国の民主主義に満足していない人で自国の影響力が弱まっていると回答したのは57%と高かったが、民主主義に満足している人でも31%と比較的高く、較差は26ポイントだった。

(注)カナダ、ベルギー、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、スペイン、スウェーデン、英国、ポーランド、ハンガリー、イスラエル、オーストラリア、日本、マレーシア、シンガポール、韓国の成人2万944人を対象に、2022年2月14日~6月3日に実施。米国では3月21~27日に成人3,581人を対象に実施。

(松岡智恵子)

(米国)

ビジネス短信 1613789b23701387