第3四半期のGDP成長率は前期比マイナス0.2%

(チェコ)

プラハ発

2022年12月05日

チェコ統計局の12月2日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2022年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率(季節調整済み)は前期比マイナス0.2%で、第2四半期(4~6月)の0.4%からマイナスに転じた。前期比でマイナス成長となったのは2021年第1四半期にマイナス0.5%を記録して以降初めて。前年同期比では1.7%とプラス成長を保ったものの、第2四半期の3.6%から減速した。

成長率を需要項目別にみると、民間最終消費支出が前期比3.2%減で、前期の0.1%減から3.1ポイント低下した(添付資料表1参照)。特にサービスの支出が6.4%減少し、2021年第1四半期以降初めてマイナスとなった。総固定資本形成も0.3%減少し、前期の1.2%増からマイナスに転じた。中でも住宅投資が11.4%減と大幅に減少している。さらに、輸送機器への投資も前期の0.3%増から0.4%減とマイナスに転じた。

産業別では、前期まで6四半期連続して前期比でのプラス成長を維持していた運輸、小売り、卸売り、宿泊・飲食サービス部門が4.4%減少とマイナスに転じた(添付資料表2参照)。また、建設部門では4.5%減と、前期の0.3%減から減少幅が拡大した。一方、製造業は1.8%増で、前期の0.1%減から再びプラスに転じた。

産業連盟は同日に発表したコメント外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、前期比において個人消費の減少に加え、投資の低迷が確認されたが、これはエネルギー価格の高騰などによる高いインフレ率、先行きの不透明さ、および国外における経済成長の低調による結果として、チェコ経済が停滞している事実を示すものと指摘している。同連盟のボフスラフ・チージェック経済政策部長は、チェコ、欧州の不況が本格的に表れるのは2023年と警告し、「経済停滞はすでに開始されており、四半期ごとのGDP成長率の減速に鑑みれば、2022年末にはテクニカルリセッション(注)に入ることが予期される。2023年のGDP成長率は0.9%以下になると産業連盟は予測している」と述べた。

財務省は、第3四半期のGDP成長率発表前の11月9日に発表した秋季マクロ経済予測PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)の中で、2022年GDP成長率を、8月発表(夏季経済予測)の2.2%から2.4%に上方修正した。2023年に関しては1.1%からマイナス0.2%に下方修正している。

(注)2四半期連続での前期比マイナス成長。

(中川圭子)

(チェコ)

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