中国と香港、株式相互取引(ストックコネクト)対象銘柄を拡大へ
(香港、中国)
香港発
2022年12月28日
香港証券先物委員会(SFC)と中国証券監督管理委員会(CSRC)は12月19日、中国本土と香港間の株式相互取引(ストックコネクト、注1)の対象銘柄の拡大について基本合意に達したと公表した。これにより、香港と中国本土の株式市場への相互アクセスのさらなる深化と両資本市場の発展促進を図る。
拡大する対象銘柄は、香港証券取引所を介して上海証券取引所または深セン証券取引所に上場する株式を売買できるノースバウンド(注2)と、上海証券取引所または深セン証券取引を介して香港証券取引所に上場する株式を売買できるサウスバウンド(注3)の両取引に及ぶ。
うち、ノースバウンドの対象銘柄は以下の(1)または(2)の場合。
(1)上海証券取引所または深セン証券取引所に上場し、A株(注4)を発行する企業であり、同時に香港証券取引所に上場し、H株(注5)を発行する企業の銘柄(A株)。
(2)時価総額が50億元(約950億円、1元=約19円)以上で、一定の流動性基準の条件を満たす上海A株指数と深セン総合指数の構成銘柄。
(1)については、つまり、上海証券取引所または深セン証券取引所に上場し、かつ香港証券取引所に重複上場する企業のA株式が対象銘柄となる。
サウスバウンドの対象銘柄は、ハンセン総合指数(香港証券取引所の株価指数)の大型株指数、中型株指数、小型株指数に組み込まれている外国企業株(小型株指数は時価が50億香港ドル(約850億円、1香港ドル=約17円)以上の企業のみ)となる。
12月23日時点で香港証券取引所の上場対象となり得る銘柄は、イタリアのプラダ(銘柄コード:1913)、ロシアのルサール(同:0486)、フランスのロクシタン(同:0973)、米国のサムソナイト(同:1910)、カンボジアのナガコープ(同:3918)、米国のウィーシンク(同:2148)の6社となる。
SFCとCSRCの共同公表文によると、発表日から3カ月程度の準備期間を経た上で、正式な実施日はあらためて通知するとしている。
(注1)自国市場の証券取引所などを通じて、相手市場に上場されている株式を直接購入できる株式相互取引。
(注2)海外投資家が香港証券取引所を介して上海証券取引所または深セン証券取引所に上場する株式を売買できる制度。
(注3)中国本土の投資家が上海証券取引所または深セン証券取引所を介して香港証券取引所に上場する株式を売買できる制度。
(注4)上海証券取引所または深セン証券取引所に上場する企業が元建てで発行した株式銘柄。
(注5)香港証券取引所に上場する中国本土で登記・事業展開する中国企業が香港ドル建てで発行した株式銘柄。
(松浦広子)
(香港、中国)
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