パナソニックエナジー、米新興EVメーカーとの電池供給契約を締結

(米国、日本)

ニューヨーク発

2022年12月19日

パナソニックエナジー(本社:⼤阪府守口市)は12月13日、米国の新興電気自動車(EV)メーカーのルーシッド・グループ(本社:カリフォルニア州ニューアーク)と、複数年にわたるリチウムイオン電池の供給契約を締結した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。ルーシッドに供給するバッテリーはパナソニックエナジーの日本拠点と、2025年3月までに量産開始予定のカンザス州デソトの新工場で生産し(2022年11月2日記事参照)、ルーシッドが現在販売しているバッテリー式EV(BEV)の乗用車「ルーシッドエア」や、2024年に生産開始予定のスポーツ用多目的車(SUV)「グラビティ」に搭載する。

ルーシッドは、2008年に「アティーバ」としてバッテリーの開発を始めた後、2016年から「ルーシッドモーターズ」としてBEVの生産を行うことを発表、2021年にアリゾナ州カサグランデの拠点で「ルーシッドエア」の生産を開始した。現在は米EV大手テスラの元車両エンジニアリング担当バイスプレジデントのピーター・ローリンソン氏が最高経営責任者(CEO)兼最高技術責任者(CTO)を務める。

「ルーシッドエア」は1回のフル充電で520マイル(約836.9キロ)の走行が可能で、米国で販売されるBEVの航続距離としては最長(コンシューマーレポート12月8日)。メーカー希望小売価格は8万7,400ドルからと高額で、高級車としてテスラ「モデルS」などのライバル車として注目される。2022年第3四半期(7~9月)までの累計販売台数は2,173台と限定的だが、自動車情報サイトのモータートレンドが授与する2022年カー・オブ・ザイヤーを受賞するなど、業界からは一定の評価を得ている。

今回の契約締結に関し、パナソニックエナジーの只信一生社長執行役員は「自動車業界での電動化が進む中、ルーシッドのような技術をリードするEVメーカーとのパートナーシップは、当社のミッション達成に向けては不可欠だ。このパートナーシップは、リチウムイオン電池業界の成長を牽引し、ゼロエミッションに向けた取り組みを加速させることに貢献する」と述べた。

(大原典子)

(米国、日本)

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