高齢者への新型コロナワクチン接種加速、ブースター接種までの期間を3カ月以上に短縮

(中国)

北京発

2022年12月05日

中国国務院の共同防疫メカニズム総合チームは11月29日、「高齢者の新型コロナウイルスワクチン接種強化に関する通知外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(国衛明電[2022]484号)を発表し、80歳以上の高齢者のワクチン接種率の引き上げを加速し、60~79歳向け接種を引き続き促進する方針を示した。

同通知では、高齢者のワクチン接種からブースター接種までの期間を3カ月以上に短縮するとしているほか、ブースター接種として利用可能なワクチンを示している(添付資料表参照)。

また、高齢者のワクチン接種率を引き上げる具体的な取り組みは以下のとおり。

  • 高齢者施設、老年大学(高齢者スクール)、高齢者活動センターなどの重点施設、大規模イベント、団体旅行など重点活動での接種を強化する。
  • ワクチン接種が必要な高齢者を特定するため、ビッグデータを活用するよう地方政府に促す。
  • 高齢者接種用ファストトラックの設置、ワクチン接種用車両の手配などにより、高齢者の接種へのアクセスの円滑化を実現し、サービスを最適化する。
  • 高齢者の接種へのためらいを解消するため、マスコミなど多様な手段を活用し、重症化や死亡を防ぐワクチンの利点をわかりやすく宣伝する。

国家疾病予防管理局衛生免疫司の夏剛司長は11月29日の記者会見で、前日の28日時点で80歳以上の高齢者の新型コロナワクチン接種人数は2,742万6,000人に達し、80歳以上の総人口の76.6%を占めていると発表した。このうち、必要回数の接種を終えた高齢者は2,356万3,000人(同65.8%)、ブースター接種を受けた人は1,445万6,000人となっている。夏司長は「新型コロナウイルス感染の情勢が深刻で複雑化している中、ワクチン接種は重症化や死亡を防ぐことに依然として効果があり、重症化や重篤化のリスクが高い高齢者にとってワクチン接種のメリットは最も大きい」との見方を示した。

(趙薇)

(中国)

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