隣国からの陸上運送車両の使用燃料にペルー品質基準を求める

(ペルー)

リマ発

2022年12月27日

ペルー運輸通信省(MTC)は12月19日、エネルギー鉱山省(MINEM)と連携し、隣国からの国際陸上運送に対して、ペルーの国内基準に沿った燃料品質値を求める法令第31646号外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを公布した。同法令は2022年7月に起こった運送業界のストライキで、同業界が国の燃料費補助を受けている隣国エクアドルとボリビアの運送業界との不平等を訴え、その対応策として位置付けられている。表向きは環境汚染対策として両国から入国する運送車両にペルーの燃料品質基準(注)を求めているが、実際は燃料費補助を受けているこれらの車両に対する排他的措置とも言える内容となっている。

MTCは、取り締まり機関としてエネルギー鉱業投資監督庁(OSINERGMIN)を指定。具体的な取り締まり方法としては「入国時の使用燃料名と購入記録の提示」や「ペルーの品質基準を満たさない燃料を使用している場合は、ペルー国内の最寄りスタンドで燃料供給」としており、詳細規定は同法令発行から90日以内に出すとしている。また、当該車両が取り締まりに応じない、または罰金を支払わない場合は、国家税務監督庁(SUNAT)へ報告の上、国家警察の協力の下で入国禁止措置が取られる。

なお、現時点ではエクアドルとボリビア両政府からこの法令に対する反論などは発表されていない。

(注)MINEMによると、ペルー政府によるディーゼル燃料に使用する軽油に含まれる硫黄分濃度の規制値は1ガロン当たり0.005%以下。これに対して、エクアドルは0.05%以下、ボリビアは0.5%以下に設定している。

(設楽隆裕)

(ペルー)

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