カザフスタンとEUによるグリーン分野協力が前進

(カザフスタン、EU)

タシケント発

2022年11月17日

カザフスタンのアリハン・スマイロフ首相と、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は11月7日、国連気候変動枠組み条約第27回会議(COP27)が開催中のエジプトで、グリーンエネルギー分野での戦略パートナーシップに関する覚書に署名した(カザフスタン首相ウェブサイト11月8日)。

カザフスタンとEUは、脱炭素社会実現に向けたグリーンビジネスを発展させるため、再生可能エネルギーの蓄電や電気自動車生産に不可欠な希土類資源など「重要な原材料」(2020年9月4日記事参照)の安定供給や、グリーン投資の促進、資源、技術、金融面で相互協力し、サプライチェーンの構築などを目指す内容となっている。

10月27日にはカザフスタンの首都アスタナで、カシムジョマルト・トカエフ大統領と欧州理事会のシャルル・ミシェル常任議長立ち会いのもと、カザフスタン政府とハイラシア・ワンが、カザフスタン西部のマンギスタウ州にグリーン水素生産流通基地を建設する投資文書に調印した。ハイラシア・ワンは、スウェーデンやドイツ、カザフスタンで再生可能エネルギー開発を手掛けているスベビンドの子会社。マンギスタウ州に40ギガワットの風力・太陽光発電所を建設し、この電力を使ってカスピ海沿岸で年間200万トンのグリーン水素を生産する。2030年に水素の生産を開始し、2032年のフル稼働を目指すとしている(在ドイツ・カザフスタン大使館ウェブサイト10月27日)。

(注)再生可能エネルギー由来の電力を利用して、水を電気分解して生成される水素。製造過程で二酸化炭素を排出しないとされる(2021年6月23日記事参照)。

(増島繁延)

(カザフスタン、EU)

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