2023年のGDP成長率目標は約6.5%に、国会が採択

(ベトナム)

ハノイ発

2022年11月24日

ベトナム国会は11月10日、2023年の主要な社会・経済目標の15項目を定めた「2023年社会・経済発展計画」の決議を採択した(注1)。GDP成長率の目標を約6.5%、消費者物価指数(CPI)上昇率の目標を約4.5%に設定した。

2023年の主要な社会・経済発展目標15項目は次のとおり。かっこ内は2022年の目標値(2021年11月22日記事参照)。

  1. GDP成長率は約6.5%(約6~6.5%)
  2. 1人当たりGDPは約4,400ドル(約3,900ドル)
  3. GDPに占める製造業の割合は約25.4~25.8%(約25.5~25.8%)
  4. CPI上昇率は約4.5%(約4%)
  5. 労働生産性の上昇率は約5~6%(約5.5%)
  6. 農業就業者の割合は26.2%(27.5%)
  7. 訓練を受けた労働者の割合は68%(67%)。そのうち、訓練を受けた資格・修了証を有する労働者は約27.5%(約27~27.5%)
  8. 都市部の失業率は4%未満(4%未満)
  9. 貧困率(多次元貧困の基準に基づく、注2)は約1~1.5ポイント減(1~1.5ポイント減)
  10. 1万人当たりの医師数は約12人(9.4人)
  11. 1万人当たりの病床数は約32床(29.5床)
  12. 健康保険の加入率は93.2%(92%)
  13. 新農村基準(注3)を満たす村の割合は78%(73%)
  14. 都市部の日常生活における固形廃棄物の収集・処理の割合は95%(89%)
  15. 環境標準を満たす集中型排水処理システムが整備された工業団地・輸出加工区の割合は92%(91%)

本決議では、全体目標をマクロ経済の安定維持、インフレ抑制、新型コロナウイルスなど感染症の流行制御、イノベーション・グリーン成長・デジタルトランスフォーメーション(DX)促進などと位置付けた。

なお、2022年の目標達成状況については、15項目の目標のうち14項目については達成し、労働生産性の項目のみ未達成となる見通しが示された。

(注1)国会組織法に基づき、国会が毎年の社会・経済目標を決議する。また、政府としても、毎年の年度初め(1月)に社会・経済目標を公表する。

(注2)健康、教育、生活水準などの基準から貧困の程度を測る。ベトナムでは政令7号(7/2021/ND-CP)で2022~2025年の基準を規定。

(注3)農村が達成すべき計画、経済・社会インフラ、経済活動・生産組織、文化・社会・環境、政治システムの基準を示したもの。

(グエン・ラン)

(ベトナム)

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