中国企業の2021年の対外投資、前年に続き2桁増

(中国)

北京発

2022年11月29日

中国商務部と国家統計局、国家外貨管理局は117日、「2021年中国対外直接投資統計公報PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)」を発表した。

2021年の中国の対外直接投資額(フロー)は前年比16.3%増の1,7882,000万ドルで、2020年に続き2桁増を実現した(添付資料表参照)。国連貿易開発会議(UNCTAD)のレポートによると、2021年の中国の対外直接投資額(フロー)は米国に次いで世界第2位となった。

投資先の国・地域別では、1位が香港(1,012億ドル、構成比56.6%)、2位が英国領バージン諸島(140億ドル、7.8%)、3位がケイマン諸島(108億ドル、6.0%)、4位がシンガポール(84億ドル、4.7%)、5位が米国(56億ドル、3.1%)で、上位5カ国・地域への投資の合計は約1,400億ドルで全体の78.3%を占めた。欧州向けの投資は前年比14.4%減の109億ドルだった。「一帯一路」沿線国(63カ国)向けの投資は前年比7.1%増の242億ドルで、統計発表を開始した2013年以降で過去最高となった。

業種別で最も投資額が大きいのはリース・ビジネスサービス業で、前年比27.5%増の494億ドルと、全体の27.6%を占めた。次いで、卸・小売りが22.4%増の282億ドル(構成比15.7%)、3位は製造業で4.0%増の269億ドル(同15.0%)、4位は金融で36.3%増の268億ドル(同15.0%)だった。製造業の内訳をみると、最も多いのが自動車製造で43億ドル、次いで、コンピュータおよび通信・その他電子設備製造が33億ドルだった。

中国の2021年末時点のストックの対外直接投資額は27,852億ドルで、米国、オランダに次いで世界の国・地域で3位となった。国・地域別にみると、香港向けが15,497億ドルで全体の55.6%を占めて最も多かった。次いで、英領バージン諸島、ケイマン諸島、米国、シンガポールが続いた。香港やタックスヘイブンへの投資比率が高い理由としては、中国企業が税務コストなどの削減を図っていることや、国外からの資金調達拠点として同地域を活用していることなどが挙げられる。

(張敏)

(中国)

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