ハノイ都市鉄道が開業1年、年間乗客数は740万人

(ベトナム)

ハノイ発

2022年11月15日

ハノイにベトナム初の都市鉄道の2A号線が開業(2021119日記事参照)して1年が経過した。運営会社ハノイメトロは、2021116日の開業以来の累計乗客者数は約740万人だったと明らかにした(「コンアン・ニャンザン」紙119日)。1日当たりの平均乗客数は、開業当初は7,0008,000人だったが、現在は平日に32,000人を超え、そのうち約1万人が定期券利用者だという。開業から20229月までの11カ月間の乗車券の売上は530億ドン(約29,680万円、1ドン=約0.0056円)に達した。

2A号線は通常10分間隔、ピーク時(注)6分間隔で運行しており、ハノイメトロのゼネラルディレクターのブ・ホン・チュオン氏は「鉄道はラッシュ時の渋滞緩和に貢献した。利用者は(高架鉄道が)渋滞の影響を受けないことに利便性や安定性を感じている」と述べた。

開業前は都市鉄道の利用者が増えるか疑問視する声も市民からあったが、接続の利便性向上が利用客の定着につながったとみられる。2A号線に接続する公共バスは、電動バスの新路線開設などで55路線から63路線に増加した。また、2019年にオープンしたイオンモール・ハドンも、毎日運行する無料シャトルバスの運行ルートを2A号線のバン・クアン駅発着に変更した。

しかし、渋滞緩和への貢献はまだ限定的といえる。2A号線区間の設計上の輸送力は1日最大217,000人なのに対し、現在の平均乗客数(3万人超)は7分の1程度にとどまっている。ハノイメトロは2024年までに年間利用客を3,000万~4,000万人に引き上げることを目標としているが、並行した周辺インフラの整備が課題だ。駅周辺の車両乗降スペースや駐車場は十分とはいえず、券売機は現金対応のみといった状況だ。

新路線の完成は遅れる見込み

ハノイの都市鉄道は2A号線を含め、2030年までに高架や地下の8路線の整備を予定している。一方、現在建設が進むのは3号線(ハノイ駅~北トゥーリエム区ニョン間)のみで、残りの6路線は建設が始まっていない。この3号線も全線の完成時期は2022年から2027年に延期される見通しだ。ハノイ市は遅延理由として、土地収用問題や関係者間の調整不足、開発を請け負う国外企業との契約と国内法の整合性、新型コロナウイルス流行の影響などを挙げており、コストの増加も避けられないとしている。

写真 平日朝のラッシュ時の車内とプラットフォームの様子(ジェトロ撮影)

平日朝のラッシュ時の車内とプラットフォームの様子(ジェトロ撮影)

(注)ピーク時は午前7時~8時半、午後4時半~6時。

(萩原遼太朗)

(ベトナム)

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