貿易収支改善基調が継続、9月単月の貿易収支は5月以来の黒字に

(アルゼンチン)

ブエノスアイレス発

2022年11月16日

アルゼンチン国家統計センサス局(INDECPDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))が1020日に発表した貿易統計によると、202219月の輸出は前年同期比15.2%増の6713,100万ドル、輸入は40.4%増の6452,000万ドルだった。貿易収支は261,100万ドルの黒字となったが、前年同期の1234,000ドルからは大幅減少となった。9月単月では、輸出が前年同月比2.2%減の74700万ドル、輸入は同18.8%増の699,300万ドルだった。

貿易収支は、6月から赤字に転落したが、7月を底に改善基調となり、9月には41,400万ドルと5月以降初めて黒字に転じた(添付資料図参照)。

19月の品目別輸出額をみると、燃料・エネルギーが前年同期比71.3%増、工業製品が19.8%増、一次産品が10.8%増、農畜産物加工品が7.2%増となった(添付資料表1参照)。品目別輸入額では、燃料・潤滑油関連品が前年同期比2.6倍、資本財が32.4%増、中間財が25.7%増、資本財部品が32.5%増、消費財が25.5%増、乗用車は14.2%増だった。

19月の仕向け地別輸出額をみると、最大の貿易相手国のブラジル向けは前年同期比11.6%増、米国向けが46.5%増と堅調だったが、中国(香港・マカオを含む)向けは2.1%増にとどまった(添付資料表2参照)。原産地別輸入額では、ブラジルが37.0%増、中国(香港・マカオを含む)が40.2%増、米国が96.3%増となった。これら3カ国に対しては貿易赤字が続いている。対日貿易は、輸出が16.3 %増、輸入が3.3%増で、同じく貿易赤字だ。

政府は輸出拡大プログラムの一環として、9530日の1カ月間、大豆輸出に優遇為替レートを適用し(2022年9月15日付記事参照)、この制度によって約80億ドルの外貨収入があったと報告した。しかし、INDECの統計をみると、9月の大豆関連品輸出は189,300万ドルにとどまっている。専門家によると、大豆輸出による中央銀行への外貨収入はINDEC9月の貿易統計には反映されておらず、12月までの統計に徐々に計上される見通しで、今後の貿易収支改善への寄与が期待される。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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