新型コロナ2価ワクチンの追加接種開始、18~49歳に対象を拡大

(シンガポール)

シンガポール発

2022年11月09日

シンガポール保健省は11月7日から、18~49歳の在住者を対象に、新型コロナウイルスのオミクロン型変異株に対応する2価ワクチンの追加接種を順次開始した。最低接種回数(注)を完了した50歳以上を対象に追加接種を始めていたが、追加接種の対象を拡大した。

同省は11月7日から40~49歳に対して順次、2価ワクチン接種の予約サイトへのリンクを記した携帯電話のSMSを送付。50歳以上や医療従事者については、予約なしで国内各地の検査・ワクチン接種共同センター(JVTC)で2価ワクチンの接種が受けられる。同国では11月2日時点で約6万5,000人が2価ワクチンを接種完了、もしくは予約を終えている。

政府は新型コロナワクチン接種を第1の感染防衛策としている。保健省は10月7日に、ワクチン接種完了者の定義について、ワクチン接種の回数ではなく、定期的な接種を通じた「最新状態のワクチン接種」へと切り替える方針を明らかにしていた(2022年10月14日記事参照)。同省は18歳以上の成人について、最低回数の接種完了後、5カ月~1年以内に追加接種するべきとしている。

11月21日から全世帯に4回目の抗原テストキット配布へ

また、保健省は、定期的な自主検査を第2の感染防衛策としている。同省は11月21日から、1世帯当たり12個の抗原検査キットを全世帯に配布する予定だ。全世帯への抗原検査キット配付は4回目となる。

同国では11月6日時点の過去7日間の新型コロナウイルス新規感染者の移動平均は3,156人と、前週(10月31日)時点の4,758人と比べると減少傾向にある。しかし、オン・イエクン保健相は11月4日、自身のフェイスブックで「(シンガポールが)国際ハブであるため、感染力の強い新たな変異株が登場すれば、世界で最も早く流行する都市の1つとなる可能性がある」と述べ、警戒を呼びかけた。

(注)5歳以上の人について、ファイザー・ビオンテック製(コミナティ)、モデルナ製(スパイクバックス)、ノババックス製(ヌバキソビッド)の場合は3回の接種、シノバック製(コロナバック)の場合が4回の接種を最低接種回数と定めている。詳細は保健省のウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます参照。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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