モスクワ、サンクトペテルブルクの空港で警戒が強化
(ロシア)
欧州ロシアCIS課
2022年11月17日
ロシアのモスクワとサンクトペテルブルクの空港で、テロに対する警戒が強められていることが分かった。11月16日にイズベスチヤが報じた。本措置は、運輸省傘下の連邦輸送監督局の通達に基づくもの。通達により、モスクワのシェレメチェボ、ドモジェドボ、ブヌコボの3空港、およびサンクトペテルブルクのプルコボ空港に、11月10日午前0時(モスクワ時間)から、輸送関連施設に対するテロ警戒レベル3(3段階の最高度)が発出されている。
シェレメチェボ空港では、外部からの車両などによる滑走路内への侵入を阻止するコンクリートブロックが追加で設置されたほか、警備員の装備が強化されている。プルコボ空港では、通常の保安検査に加え、搭乗前に再度、金属探知機による検査が行われている模様だ。
航空関連情報会社アビアポルトのオレグ・パンテエフ調査部長は、この時期は空港利用者が少ないため深刻な問題は予想されていないとしたうえで、「保安検査の厳格化などでチェックインから搭乗までにこれまでよりも時間を要する恐れがある」と指摘する(ビジネスFM11月16日)。
運輸当局の通達を受け、空港運営会社、航空会社は空港職員、航空会社社員に対して、空港施設の撮影などを第三者が依頼してきた場合などには、遅滞なくその事実を報告するよう求めているという。航空法や各空港の規則に基づき、空港内での撮影は旅券審査や保安管理領域などが禁止対象とされているが、それ以外の場所での撮影であっても当面は注意を払う必要がありそうだ。
在ロシア日本大使館領事部は11月16日、空港ビル入構時などのセキュリティーチェックで普段より時間を要する可能性があり、空港を利用する際には時間に余裕を持って行動し、不審なものには近づかないよう注意を呼び掛けている。
なおロシアでは、ウクライナ情勢の悪化を理由に2月24日からロシア南部の11空港を閉鎖し(2022年2月25日記事参照)、現在もそれが継続している。
(欧州ロシアCIS課)
(ロシア)
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