米KBR、日量1万トンのグリーン・ブルーアンモニア供給開始

(米国)

ヒューストン発

2022年11月02日

アンモニア製造で独自技術を有する米国KBR(テキサス州ヒューストン)は10月31日、日量1万トンのブルー(注1)およびグリーン(注2)アンモニアの供給を開始したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。現在と将来における、世界的な持続可能エネルギーおよび肥料に対する需要の高まりに応えるためとしている。

発表によると、アンモニアは再生可能な水素エネルギー経済の主要な推進役として注目されており、発電や海上輸送でのアンモニア利用が見込まれることから、クリーンなアンモニアに対する世界の需要は飛躍的に伸びると予測され、大規模な生産設備に対する期待が高まっているという。

KBRの技術担当プレジデントのダグ・ケリー氏は「グリーン水素(注3)とアンモニアの生産量を考えると、顧客が経済性のあるプロジェクトを実施する上で、容量規模は決定的な役割を果たすだろう。われわれは、(今回発表した)メガプラントによって、顧客が低炭素な水素への投資から魅力的なリターンを得ることを実現できると確信している」と述べた。

KBRのアンモニア製造プロセスは、生産量ベースで世界シェアの約50%を占めるとされ、KBRは2021年4月に日揮ホールディングスと、2022年8月には米国エネルギー関連エンジニアリング大手のマクダーモット・インターナショナルと、それぞれアンモニア製造プロセスに関するライセンス契約を締結している(2022年8月4日記事参照)。

(注1)天然ガスから製造されるアンモニアで、製造時に排出される二酸化炭素(CO2)を回収・貯留(CCS)や回収・利用・貯留(CCUS)などによって分離・除去されたもの。

(注2)再生可能エネルギーによって発電された電力、水、窒素を原料とし、製造時にCO2を排出しないプロセスで製造されるアンモニア。

(注3)再生可能エネルギーを利用して水を電気分解することで製造し、製造工程でCO2を発生させない水素。

(沖本憲司)

(米国)

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