米マクダーモットとKBR、アンモニア製造プロセスのライセンス契約締結

(米国、日本)

ヒューストン発

2022年08月04日

米国エネルギー関連エンジニアリング大手のマクダーモット・インターナショナル(本社:テキサス州ヒューストン)は83日、アンモニア製造で独自技術を有する米国KBR(テキサス州ヒューストン)と、アンモニア製造プロセスに関するライセンス契約を締結したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

再生可能エネルギー資源や低炭素エネルギー資源から製造されるアンモニアは一般的に、グリーンアンモニア(注1)やブルーアンモニア(注2)と呼ばれる。カーボンフリーの肥料や、水素エネルギーを輸送・貯蔵するエネルギー・キャリア、燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない燃料など利用されることから、世界の脱炭素化に伴う市場拡大が期待されている。

両社はKBRのアンモニア製造技術とマクダーモットのアンモニア製造プラントエンジニアリング技術を組み合わせ、成長するアンモニア市場に対応する競争力のあるソリューションを提供していく考えだとしている。

マクダーモットのオンショア・シニアバイスプレジデントのタレク・カワシュ氏は「当社のエネルギー転換ビジネスのポートフォリオを拡充する重要な契約だ。当社が強みとする設計から建設まで一貫した事業遂行能力を強化するものだ」と述べている。

KBRのグローバルセールス担当シニアバイスプレジデントのアマン・アーマド氏は「この契約により、両社は互いの強みを生かし、エネルギー転換の取り組みを拡大・加速化する顧客に大きな付加価値を提供できる」と述べている。

米国KBR社のアンモニア製造プロセスは、生産量ベースで世界シェアの約50%を持つとされる。KBR社のアンモニア製造プロセスについては、日揮ホールディングスも2021425日、KBRとアンモニア製造プロセスに関するライセンス契約を締結し、今後、日揮のアンモニア製造プラントプロジェクトで、KBRのライセンスを使用すると発表していた。

(注1)再生可能エネルギーによって発電された電力、水、窒素を原料とし、製造時に二酸化炭素(CO2)を排出しないプロセスで製造されるアンモニア。

(注2)天然ガスから製造されるアンモニアで、製造時に排出されるCO2を回収・貯留(CCS)や回収・利用・貯留(CCUS)などによって分離・除去されたもの。

(沖本憲司)

(米国、日本)

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