米ロサンゼルス港、10月のコンテナ取扱量は2009年以降最低水準

(米国)

ロサンゼルス発

2022年11月21日

米国ロサンゼルス港湾局は11月15日、10月のロサンゼルス港のコンテナ取扱量が67万8,429TEU(20フィートコンテナ換算)と発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。前年同月(90万2,644TEU)から24.8%減少し、10月の取扱量は2009年以降で最も低くなった。

ロサンゼルス港湾局のジーン・セロカ局長はコンテナ取扱量が減少した理由として、港湾の労使交渉の決裂を警戒した貨物の西海岸港から東海岸港やメキシコ湾岸港へのシフトや(2022年10月25日付地域・分析レポート参照)、例年9月や10月に本格化する年末商戦に向けた商品輸入時期の6月や7月への前倒し、新型コロナウイルス禍で拡大した大型家電や家具の需要落ち着きを指摘している。その上で、現在、港は通常のコンテナ取扱量の70%程度にとどまっており、他の港湾にシフトした貨物を同港に取り戻す働きかけを全力で行うとしている。

財への需要は引き続き堅調

発表の中で、カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校の経済研究機関アンダーソン・フォーキャストのジェリー・ニクルスバーグ博士は、米国の消費動向は財からサービスへシフトしているが、財の消費も引き続き根強いとの見通しを指摘した。また、取扱貨物量にも影響を及ぼし得る米国と中国の通商関係については、米国企業と中国政府が過去25年間で効率的なサプライチェーンを構築しており、米中関係が悪化してもこうした深い関係は継続され、米国は中国から輸入を続けるとの考えを示した。

なお、今回発表では、ロサンゼルス港湾局とジェトロが11月14日に、港湾インフラの改善や運営の効率化、環境への配慮、貿易機会の創出などに関するベストプラクティスを共有し、連携の促進を図る覚書を締結したことも報告している(2022年11月16日記事参照)。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

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