越中で共同声明発表、中国のCPTPP加盟や「一つの中国」を支持

(ベトナム、中国)

ハノイ発

2022年11月08日

ベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長は、中国共産党の習近平総書記(国家主席)の招待を受け、10月30日~11月1日に中国の北京を公式訪問した(2022年11月4日記事参照)。78歳のチョン氏の外遊は2019年に体調を崩して以来初めてで、習氏との会談は2017年以来となった。習氏にとっては、共産党大会で3期目に入って以降、初めて会う外国要人となった。

10月31日に、チョン氏と習氏の会談後、両氏立ち会いの下で両国間の貿易、農業、観光、環境などの分野に関する13の覚書に署名をした。11月1日には一連の成果として、包括的戦略的パートナーシップの継続的な促進と深化に関する越中共同声明外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表した。

経済、貿易面においては、両廊一圏の枠組み(注)と一帯一路構想の開発戦略のコネクティビティー強化、中国企業のベトナムへの投資奨励、電子商取引(EC)分野の物流協力や製品拡大促進の方向性などを確認した。ベトナム商工省は、中国商務部とサプライチェーン確保のための協力強化に関する覚書、中国税関総局と2国間貿易での食品安全に関する覚書をそれぞれ締結した。

インフラ面では、ベトナムのラオカイ、ハノイ、ハイフォン間の鉄道の標準軌化に向けた調査や、防災能力向上のための国際河川のデータ共有などを促進する。グリーン分野、気候変動対策では、積極的な協業を模索することが記載された。

また、ベトナムは中国が2021年9月に申請していた、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP、いわゆるTPP11)加入要請も支持した。

「一つの中国」政策の支持を表明

今回の共同声明では、ベトナムは「一つの中国政策」を支持し、台湾の独立に向けた動きへの反対や、各国の内政不干渉を堅持する立場が明記された。

ベトナムは貿易額で中国と米国が占める割合が高く、対立を深める両国と切り離せない経済関係を持つ。米国との関係では、インド太平洋経済枠組み(IPEF)交渉参加を進めているが、中国との関係も維持しつつ、地政学的に難しいかじ取りが続いている。なお、今回の訪中代表団メンバーは、共産党の要職である政治局員、書記局員を中心に構成。国会会期中ということもあってか、国家主席、首相、国会議長をはじめ、商工相などの同行はなかった。

(注)2つの回廊と一帯の経済圏での2国間の経済協力枠組み。2つの回廊は、中国の昆明からベトナムのラオカイを通り、ハノイとハイフォンを経てクアンニンに至るルートと、南寧からランソン、ハノイ経由でクアンニンをたどるルートを指す。一帯の経済圏は、中国南部からハイフォンまでトンキン湾(北部湾)海域にまたがる地域を指す。

(萩原遼太朗)

(ベトナム、中国)

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