武漢市、隔離措置の緩和を通知するも、運用面では対策強化も

(中国)

武漢発

2022年11月28日

中国国務院共同防疫メカニズムが公表した「新型コロナウイルス感染拡大の予防抑制措置をよりいっそう合理化し、科学的で精密な防疫を徹底する通知(1111日)」を受け(2022年11月15日記事参照)、武漢市衛生健康委員会は1116日、新型コロナウイルス防疫措置の最適化に関する通知を発表した。本通知により、高リスク地域への来訪歴がある場合などの措置が緩和された。

措置の具体的な内容は以下のとおり。

1) 濃厚接触者

5日間の集中隔離と3日間の自宅隔離となる。両期間とも健康コードで「赤色」のQRコードが表示され、外出することはできない。

2) 高リスク地域からの来訪者

7日間の自宅隔離となる。期間中は健康コードで「赤色」と表示され、外出することはできない。

3) 海外からの入境者

5日間の集中隔離と3日間の自宅隔離となる。重要なビジネス関係者やスポーツチームのような隔離が免除されクローズドループ方式で管理される場合であっても、健康コードで「黄色」が表示される。表示が黄色の間は、管理区域から出ることはできない。

4) 高リスク地域で勤務している労働者

高リスク地域内でも外部と隔絶された職場内にいる場合、5日間の健康観察が行われる。健康観察期間中は健康コードで「黄色」が表示され、不要不急の外出をしてはならない。

なお、自宅隔離期間であっても、自宅が隔離条件を満たしていない場合は集中隔離となる。また、自宅隔離中はネットショッピングの利用や、必要なものを社区の訪問サービスで受けとるなど自宅隔離期間におけるサービスの利用を提唱している。

武漢で再び封鎖区域拡大

上述のとおり、武漢市でも一部の防疫措置が緩和されているものの、202210月以降、武漢市内各所で断続的な封鎖管理措置が続いている(2022年10月27日記事参照)。

国務院ウェブサイト「全国新型コロナウイルスリスク地域外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」などによると、武漢市のきょう口(きょうは石へんに喬)区、江岸区など武漢市の漢口エリア、東西湖区などの漢陽エリアを中心に126カ所が高リスク地域に指定(1124日時点)されている。これに加え、高リスク地域外であっても区や街道、社区などの行政レベルの判断で厳格な対応が求められる事例が散見される。特に1121日ごろから、行政レベルでの判断で封鎖される地域が増加傾向にある。スーパーマーケットや薬局、デリバリーサービスなどは利用可能だが、店内飲食やショッピングモールの営業は原則停止されている。また、武漢市内のオフィスビルの多くで出入りが禁止となり在宅勤務を強いられているケースや、製造業企業では工場敷地内に従業員を寝泊まりさせ、操業を継続させているといったケースも増加傾向にある。

湖北省外から省内への移動に当たっては、湖北省内各市へ事前に個人情報の登録が求められる。そのほか、湖北省内でのPCR検査の徹底(24時間以内のPCR検査陰性証明がないとスーパーマーケットでの買い物も不可)や、湖北省内到着後7日間は自主的に健康観察を継続する必要がある。この期間は会食、集会など大人数が集まる場所を避けるよう呼び掛けがなされており、これを厳しく運用する街道、社区なども確認されている。

湖北省、特に武漢市への出入りを計画している場合、周辺の状況やコロナ防疫措置の最新情報を武漢市内の居住予定地所管社区、空港などに事前確認することが望ましい。

(楢橋広基)

(中国)

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