サムスン電子、第3四半期の営業利益は前年同期比31%減
(韓国)
ソウル発
2022年11月08日
サムスン電子は10月27日、2022年第3四半期(7~9月)の業績(連結ベース)を発表した。売上高は前年同期比4%増の76兆7,800億ウォン(約7兆6,780億円、1ウォン=約0.1円)、営業利益は31%減の10兆8,500億ウォンだった。半導体部門の減益により、全社の営業利益が大幅に減少した。部門別の業績の概要は以下のとおり(全体および部門別の売上高は添付資料表1、営業利益は添付資料表2参照)。
1.DX(Device eXperience)部門(家電、ITおよびモバイルなど)
VD(Visual Display)は、プレミアム製品を中心に市場での地位固めを行ったが、需要が減少し、費用が増加した。家電製品は、プロダクトミックスを改善させたものの、消費低迷の中で材料費と物流費の負担が続いた。以上の結果、VD/家電などの売上高は前年同期比5%増となったものの、営業利益は67%減と大幅に減少した。
MX(Mobile eXperience:無線通信部門)は、フォルダブルフォン(折り畳み式スマートフォン)などのスマートフォンのフラグシップモデルと、ウェアラブル製の新型モデルの販売が好調だったが、為替環境は厳しかった。他方、ネットワークは、海外事業を中心に業績が改善した。米国のケーブルテレビ大手のコムキャストからの受注(2022年9月28日記事参照)など、新規受注活動が奏功した。以上の結果、MX・ネットワークの売上高は前年同期比13%増、営業利益は4%減となった。
2.DS(Device Solution)部門(半導体など)
メモリーは、予想を超える販売先の在庫調整、中華圏でのモバイルなど消費者向けメモリー製品の需要鈍化が続き、売上高は前年同期比27%減となった。
システムLSI(大規模集積回路)は、モバイルやテレビなどの需要の鈍化の影響を受け、利益が減少した。
ファウンドリは、先端工程の収率改善と既存工程の売り上げ拡大により、四半期ベースで過去最高の業績を記録した。
以上の結果、DS部門の売上高は前年同期比14%減、営業利益は49%減と、振るわなかった。
3.SDC(サムスンディスプレー)部門
中小型パネルは、フラグシップモデルの新型スマートフォン販売開始により需要が増え、主要販売先の新製品シェアが増加した。
大型パネルは、テレビとモニター市場の低迷に加え、初期投資費用が負担となり、赤字が続いた。
以上の結果、SDC部門の売上高は前年同期比6%増、営業利益は33%増となった。
(柳忠鉉)
(韓国)
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