APECサミット、4年ぶりに対面で開催

(タイ)

バンコク発

2022年11月25日

第29回APEC首脳会議(サミット)が11月18日から19日にかけて、タイのバンコク市内にあるクイーン・シリキット国際会議場で開催された外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。APEC加盟21カ国・地域(エコノミー)の首脳は、「2022年首脳宣言外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」とAPECのサステナビリティ・アジェンダのロードマップとなる「バイオ・循環型・グリーン(BCG)経済に関するバンコク目標」外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを採択した。

タイ政府発表によると、プラユット・チャンオーチャー首相は11月19日、APECエコノミーの議長として記者会見を行い、「第29回APEC首脳会議は、全ての加盟国・地域にとって成功裏に終わった」と強調した。APEC首脳会議は2019年のチリ開催が中止となり、2020年のマレーシア、2021年のニュージーランドでの開催はオンラインだったため、今回は4年ぶりの対面会合となった。プラユット首相の発表要旨は以下のとおり外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

  • 全てのAPECエコノミーは、アジア太平洋地域の成長・未来のために協力することが不可欠。
  • 首脳会議では、核の脅威の問題が提起された。タイはAPEC議長国として、その懸念と影響を理解し、問題解決のためパートナー国と緊密に協力する用意がある。
  • プラユット首相とAPEC首脳は、2022年APECのテーマである「オープン、コネクト、バランス」や、BCG経済モデルに基づいて、2022年を通じて取り組みを行ったハイライトとして「2022年首脳宣言」を採択した。
  • 「オープン」に関しては、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)構想の推進にかかる2022年の進捗を歓迎した。「FTAAPアジェンダ作業計画」を通じ、高品質で、包括的かつ地域的な事業として今後も継続される。また、APECは既存・新規の世界的な貿易上の課題に対処するために協力する。
  • 「コネクト」では、APECは将来の脅威に対応するため、地域内での安全でシームレスなクロスボーダーでの旅行を促進するための協力をさらに進める。
  • 「バランス」では、各APECエコノミーの指導者は、APECの持続可能性目標を推進し、アジア太平洋経済を包摂的、サステナブルかつ環境に優しい方法で前進させるための包括的枠組みとして、「BCG経済に関するバンコク目標」を承認した。また、これを受けて特設ウェブサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますが開設された。
  • 2023年のAPEC議長国は米国に引き継がれた。プラユット首相によると、米国のAPEC議長国年においても、持続可能性と包摂性の課題への取り組みは優先的に継続されるとした。

なお、APEC事務局のリリースによれば、2024年のAPEC議長国はペルー、2025年は韓国となる予定だ。

(北見創)

(タイ)

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