WTOと国際金融公社、西アフリカ域内貿易拡大に向けた提言発表

(アフリカ、コートジボワール、ガーナ、ナイジェリア、セネガル)

中東アフリカ課

2022年11月10日

WTOと国際金融公社(IFC)は10月12日、西アフリカ主要4カ国(コートジボワール、ガーナ、ナイジェリア、セネガル)の貿易金融に係る調査報告書を発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。この4カ国でアフリカ大陸のGDPの約5割(6,150億ドル、2021年)を占める経済規模にもかかわらず、貿易金融のカバー率の低さやコストの高さを要因とし、4カ国間の財・サービスの貿易額は大陸の17%(2,080億ドル、2021年)にとどまるなど、貿易面でその潜在性を十分に生かせていないという。

WTO/IFCは4カ国の貿易構造と課題について、以下のとおり分析している。

  • 4カ国の貿易依存度は、ナイジェリア25%、コートジボワール45%、ガーナ62%、セネガル63%。ナイジェリアは国内経済が大きくて依存度は低いが、西アフリカ諸国経済共同体(ECOWAS)の域内貿易の半数以上を占める。
  • 主な輸出相手は、欧州、インド、中国、米国。輸入相手は、中国とインド。中国、インドともに輸出入が伸びている。コートジボワール、セネガルは2010~2020年の10年間で輸出を行う企業数がともに75%増えて1,750社、1,550社となった。コートジボワールでは輸入を行う企業も8,000社に倍増。
  • 貿易品目数(HSコード6桁)では、ナイジェリアは輸出品目が減少するものの、コートジボワールは29%、セネガルは34%、ガーナは47%増加。品目が増えているが、一次産品に大きく偏り、ナイジェリア、ガーナ、コートジボワールでは輸出の7割以上、セネガルでは5割近くを占める。
  • アフリカは一次産品の輸出にとどまっており、世界のバリューチェーンへの参加度を示す指標「川上参加(backward participation)」(注)は5.8~11.1%にとどまる。さらに2012年から2018年にかけて減少。南アフリカ共和国(18.4%)、ベトナム(32.1%)と比べ、世界のバリューチェーン参画に遅れ。
  • 消費財の輸入が多く、原料や中間財、資本財は輸入の3~4割にとどまる(ケニアやベトナムは5割以上)。

こうした点も踏まえ、WTO/IFCは以下のとおり提言している。

  • 中間財や資本財の貿易拡大には貿易金融が不可欠で、西アフリカ諸国の工業化進展には貿易金融の充実が重要。主要4カ国の貿易金融市場は現在、年間420億ドルだが、これは貿易総額のわずか25%。
  • トップ5行が貿易金融総額の半数を占め、信用不足や外貨不足などから貿易金融適用に係る銀行での拒否率は25%にも上る。それだけで年間140億ドルものファイナンスギャップを生んでいる。また、L/C発行のコストは取引額の2~4%に及ぶなど、そのコストの高さも貿易金融拡大の課題。
  • アフリカ大陸自由貿易圏(AfCFTA)の進展を見据え、地場銀行のキャパシティー強化など貿易金融へのアクセス向上に取り組みつつ、担保規則の見直しなど、業界と政府、国際機関が一体となって改善に向けた取り組みを行うことが必須。

(注)「川上参加(backward participation)」は、自国の輸出財・サービスの生産に中間投入として使用している他国からの輸入材・サービスの金額が自国の輸出総額に占める割合を表す。逆に「川下参加(forward participation)」は、他国の輸出財・サービスの生産に中間投入として使用している自国の輸出財・サービスの金額が自国の輸出総額に占める割合を表す。

(佐藤丈治)

(アフリカ、コートジボワール、ガーナ、ナイジェリア、セネガル)

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