英チャリオット、南アに合弁会社設立、電力取引を実施

(英国、南アフリカ共和国、カナダ、モロッコ)

ロンドン発

2022年11月25日

アフリカを中心にエネルギー事業を行う英国チャリオットは11月21日、南アフリカ共和国に合弁で電力取引事業者エタナを設立することを発表PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)した。チャリオットは、エタナの株式の25%を保有する。残りの株式については、南アでの取引向けのソフトウエア開発を行うニューラグループ、再エネ電力プロジェクトを扱うH1ホールディングス、発電およびクリーンエネルギープロジェクトに取り組むメドウズエナジーが、それぞれ49%、21%、5%の割合で保有している。

南アはアフリカ最大の電力市場であるものの、供給不足による停電が定期的に発生している。2020年の世界銀行の統計によると、調査対象企業の92%が停電を経験していた。

エタナは、再エネ技術を南アで提供するとしている。同国のエネルギー規制局から電力取引ライセンスを取得し、国の送電網と特定の市町村内において電力売買が可能となっている。

チャリオットは、今回の合弁事業を新たな収益源とみなしており、今後のアフリカ南部での大規模再エネプロジェクトにつながることを期待するとしている。

現在、チャリオットはアフリカで様々なプロジェクトに取り組んでいる。例えば、フランスの再エネ大手トタル・エレンと連携し、カナダの鉱業企業アイアムゴールドのブルキナファソの鉱山で15メガワット(MW)規模の太陽光発電所と57MW規模の重油発電所を設置。また、同じくトタル・エレンと共に、カナダの鉱業企業ファースト・クアンタム・ミネラルズと協業し、ザンビアでの430MWの太陽光および風力発電プロジェクトの開発を推進している。

そのほか同社は、モロッコでの洋上ガス開発プロジェクトやモーリタニアでのグリーン水素プロジェクトにも取り組んでいる(2022年3月1日記事参照)。また、11月4日にはモロッコでのグリーン水素のパイロットプロジェクトについて、モハメッド6世ポリテクニーク大学と、次世代の水素の電解装置の研究・開発・製造に取り組むオールトエナジーと協力することを発表した。大規模なグリーン水素およびアンモニア製造の可能性を評価するとしている。

(レイナー・あや)

(英国、南アフリカ共和国、カナダ、モロッコ)

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