パキスタン中銀、外貨準備高が危機的水準へ

(パキスタン)

カラチ発

2022年11月21日

パキスタンの外貨準備高が危険な水準にまで減少している。11月4日時点でパキスタン中央銀行(SBP)が保有する外貨は79億5,700万ドルと輸入の2カ月分を下回っている。

パキスタンの主要紙「ドーン」(11月17日)は、「政治的混乱、IMF協議遅れの中、債務不履行リスク高まる」と題する記事で、調査会社のデータを引用し、パキスタンの5年物国債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)が16日に、前日の56.2%から75.5%に急上昇し、債務不履行リスクが高まったと報じた。

政府とSBPは、外貨準備の減少に歯止めを掛けようと、2022年4月以降、輸入抑制策を矢継ぎ早に繰り出した。その1つが、自動車完全現地組立部品(CKD)や携帯電話CKDを含む25品目に関する輸入取引開始時のSBP事前許可取得の義務付けだ(2022年6月27日記事参照)。この規制により、輸入額は抑制されてきているが、他方、信用状(L/C)開設許可申請が山積しているもようだ。イスハク・ダール財務相は10月31日、10万ドルまでのL/C開設申請1,365件と5万ドルまでの申請4,400件の許可を決定、「残り2,200件もすぐに処理される」と語った(ザ・ニュース紙11月1日)。

現在、SBP許可の下にL/Cを開設したにもかかわらず、輸入代金決済(送金)許可が出ず、カラチ港に大量のコンテナが滞留している。SBPはジェトロの取材に対して、「ダール大臣の発言は、決済(送金)許可のことではなく、開設がペンディングとなっているL/Cの承認のことだ」と説明した。

SBPは11月8日、個人の外貨持ち出し規制も強化した。個人による外貨の国外持ち出し上限を引き下げ、個人が出国に際して持ち出せる外貨の上限を、18歳以上の場合1回当たり1万ドル相当から5,000ドル相当に引き下げた(18歳未満の場合は上限2,500ドル相当)。年間の持ち出し限度額は18歳以上の場合6万ドルから3万ドル相当に引き下げた(18歳未満の場合は1万5,000ドル相当)。1回の持ち出し制限は即日発効し、年間限度額については2023年1月1日から発効する。

(山口和紀)

(パキスタン)

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