2022年第3四半期の実質GDP成長率は前期比0.2%

(フランス)

パリ発

2022年11月04日

フランス国立統計経済研究所(INSEE)の10月28日の発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、2022年第3四半期(7~9月)の実質GDP成長率(速報値)は前期比0.2%となり、第2四半期の0.5%から減速した(添付資料表参照)。

実質GDP成長率に対する寄与度をみると、内需(在庫変動を除く)は0.4ポイントと前期の0.2ポイントから倍増した。外需(純輸出)は輸入の伸びが輸出の伸びを上回り、GDP成長率を0.5ポイント押し下げた。在庫変動の寄与度は0.2ポイントとなり、前期に続き成長を押し上げる働きをした。

成長率を需要項目別にみると、家計最終消費支出は前期から横ばい(0.0%)となり、前期の0.3%増より鈍化した。サービス支出の減速が顕著で、ホテル・レストランが0.6%増(前期12.7%増)、交通・輸送が0.5%増(6.3%増)の小幅な伸びとなった。財への支出は石油製品および自動車が急増する一方、食品は1.6%減と前期(2.2%減)からのマイナス縮小が続いた。

総固定資本形成は、前期比1.3%増と前期の0.4%増から伸びを強めた。形態別にみると、輸送機器を中心に工業製品が3.5%増(前期0.4%増)の伸びを示した。サービス(無形財)は0.7%増と前期(0.4%増)から小幅ながら伸びを強めた。建物・建築物は0.2%減となった。

第3四半期の貿易は、輸出が前期比0.7%増と前期の1.3%増から鈍化する一方、輸入は2.2%増と前期の1.2%増に比べ伸びを強めた。うち、財の貿易は、輸出が1.1%増、輸入が1.9%増と双方向で拡大した。サービス貿易は、輸入が2.5%増の好調な伸びを続けるなか、輸出の伸びは、交通・輸送(2.5%減)と情報・通信(1.5%減)の縮小により、0.7%に減速した。

INSEEは10月6日に発表した定期経済予測外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、第4四半期は前期から横ばい(0.0%)で安定すると予測し、2022年通年の実質GDP成長率を2.6%と見通していたが、今回の報告ではこれを2.5%に下方修正した。

なお、INSEEが10月28日に発表した10月の消費者物価指数の上昇率(速報値)外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは前年同月比で6.2%となり、前月の5.6%を大きく上回った。前月の伸び率を上回るのは3カ月ぶり。エネルギー価格が19.2%の大幅増を記録したほか、食品価格も生鮮食品を軸に11.8%値を上げた。

(山崎あき)

(フランス)

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