米ロサンゼルス市長選、連邦下院議員のバス氏が当選、初の女性市長誕生

(米国)

ロサンゼルス発

2022年11月18日

米国ロサンゼルス市で、中間選挙と同日の11月8日に投開票が行われた市長選挙で、現職の連邦下院議員カレン・バス氏(民主党)が、不動産投資家のリック・カルーソ氏(民主党)を抑えて当選を確実にした。現地の複数メディアが報じた。ロサンゼルス郡選挙管理当局によると、11月17日午後3時(米西部時間)時点での得票率はバス氏が53.69%、カルーソ氏が46.31%だった。同市では、女性として初、黒人としては2人目の市長となる。

バス氏は同市が長年抱えるホームレスや治安の問題の改善に取り組むことを公約に掲げていた(2022年6月9日記事参照)。バス氏は当選確実の報を受け、「ロサンゼルス市民は、今こそ変革の時であり、非常事態に取り組むべき時が来ているという明確なメッセージを送った」との声明を発表した(「ロサンゼルス・タイムズ」紙電子版11月16日)。バス氏は、市長就任後に緊急事態を宣言し、これらホームレスや治安対策ほか、テントや仮設施設などで生活する4万1,000人のための住居確保など社会問題解決に最優先で取り組むことを明らかにしている。また、最近は、ロサンゼルス市議会議員のヌーリー・マルチネス議長やギル・セディーヨ議員が人種差別発言で辞任するなど、同市への信頼感低下も課題視されており、バス氏がこれを回復しつつ、全米第2の人口(約400万人)を誇る同市でリーダシップを発揮できるかが注目される。

バス氏は69歳。看護師や医師助手、南カリフォルニア大学臨床講師を務めたのち、カリフォルニア州議会議員(2004~2010年)を経て、2011年から連邦下院議員を務めている。

(サチエ・ヴァメーレン)

(米国)

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