新型コロナ感染症治療法に関するガイダンス草案を発表
(英国)
ロンドン発
2022年11月18日
英国国立保健医療研究所(NICE)は11月16日、新型コロナウイルス感染症に対する治療法に関するガイダンスの草案を発表した。その中で治療法として、以下の3つの治療薬を推奨するとした。
- パクスロビド(米国ファイザー)
- トシリズマブ(スイス・ロシュ)
- バリシチニブ(米イーライリリー、ただし、新型コロナ感染症の治療薬として英国で販売許可を取得することが条件)
NICEによると、これらの治療薬は、オミクロン型変異株の流行以前に行われた研究に基づいているとしつつも、新型コロナ感染症の治療に有効なことを示す証拠があり、費用対効果も高いとした。
一方で、NICEは、ドイツ・メルクのモルヌピラビルと米ギリアド・サイエンシズのレムデシビルについては、治療に有効とする一定の根拠があると認めた上で、費用対効果が悪いとして、国営医療サービス(NHS)に対して使用を推奨しないとした。英グラクソ・スミスクラインと米ビール・バイオテクノロジーのソトロビマブ、ロシュのロナプリーブとアストラゼネカのエブシェルドについては、オミクロン株に有効かどうか不確実なため、推奨しないとした。
一方で、エブシェルドに関しては、新型コロナ感染の予防法としての評価に関する最終ガイダンスを2023年春に発表する予定としている。
英国の医薬品・医療製品規制庁(MHRA)は11月9日、米ファイザーとドイツ・ビオンテック製の2価ワクチンを承認した。MHRAの承認を受けた同社製の2価ワクチンは2022年9月に承認されたもの(2022年9月8日記事参照)に続いて2つ目。今回承認されたワクチンは、従来株とオミクロン「BA.4、BA.5」の両方に対応しており、12歳以上向けのブースター使用として承認されている。
また、英政府は10月下旬から、新型コロナウイルスとインフルエンザ両方のワクチンを接種し、予防効果を高めるよう促している。
(島村英莉)
(英国)
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