政府、COP27で新たなカーボンクレジット購入プログラムを強調

(ブラジル)

サンパウロ発

2022年11月21日

ブラジル政府は11月8日、国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)が開催されているエジプトのシャルム・エル・シェイクで、COP27ブラジルパビリオン開会イベントを開催した。ジョアキン・レイテ環境相はブラジリアから中継でグリーンエネルギーや、再生可能な農業、低カーボン産業、グリーン起業家精神などに基づいたグリーンエコノミーの強さを強調した。

脱炭素に向けた具体的な取り組みとして、国立経済社会開発銀行(BNDES)のファビオ・リベイロ監督官は2022年5月から試験運用を開始したカーボンクレジット購入プログラムを紹介した。同プログラムはBNDESが2022年に1億1,000万レアル(約28億6,000万円、1レアル=約26円)をカーボンクレジット(注)の購入に充て、森林保全やさらなるカーボンクレジット市場の活性化を目指す。リベイロ監督官は「BNDESのような政策金融機関がカーボンクレジットのプロジェクトを評価、購入することはプロジェクトをさらに開発する重要なきっかけとなり、カーボンクレジットを発行するプロジェクトが数多く増えるよう奨励するだろう」と強調している。BNDESの公式サイト(11月10日付)によると、この購入プログラムは今後も継続される。

政府はCOP27ブラジルパビリオン開催に引き続き、11月12日には全国農業連合(CNA)、世界銀行、地球環境ファシリティー(GEF)との連携による「ベルテンテス計画」を発表した。世界銀行から約2,500万ドルの資金を調達する見込みで、同計画の目的は「セラード」と呼ばれるブラジル内陸中西部に広がる地帯の砂漠化を防ぎ、大豆や牛肉生産の低炭素農業技術を導入することとなっている。

(注)カーボンクレジット取引では、森林保護や再生可能エネルギー導入などのプロジェクトによって実現した温室効果ガス排出(GHG)削減量がクレジットとして売買され、そのクレジットを購入した企業にとって自社のGHG排出量を相殺できる(2022年5月27日記事参照)

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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