米テキサス州知事選、現職アボット知事が3選確実

(米国)

ヒューストン発

2022年11月09日

米国テキサス州のグレッグ・アボット知事(共和党)は11月8日に行われた同州知事選で、ベト・オルーク候補(民主党)を破り、3選(注)を確実にした。FOX、NBC、CNNなど複数メディアが報じた。国内最大の共和党州での知事選3連勝により、アボット知事が2024年大統領選で共和党候補の一角とみる向きが増すとも報じられている(FOXニュース11月8日)。

アボット知事は選挙戦を通じて、州経済の好調さや、米メキシコ国境の安全確保や不法移民対応への断固たる姿勢をアピールしたほか、オルーク氏による銃規制の可能性などを指摘し、保守層を中心に支持を固めた。オルーク氏は教育改革や銃犯罪の削減を訴え、2021年2月に発生した寒波の影響による大停電の発生(2021年2月22日記事参照)や、人工妊娠中絶を厳格に規制する州法成立を巡ってアボット知事への批判を強めていた。

オルーク候補は2018年の連邦上院議員選挙で共和党現職のテッド・クルーズ議員に敗れたものの、得票率2.6%ポイント差まで追い詰めた。2020年大統領選では民主党大統領候補に名乗りを上げるなど、全国区の知名度があり、1995年1月にジョージ・W・ブッシュ知事就任以来の共和党知事の牙城を崩すかで注目されていた。支持率の推移をみると、オルーク氏が州知事選立候補を表明した2021年11月時点では、両者の差は5ポイントほどと近接していたが、その後にアボット知事は支持を広げ、一貫して安定したリードを保っていた(選挙情報サイト「リアルクリアポリティクス」)。

アボット知事は日本企業との連携拡大に意欲的だ。知事は2019年9月、大阪府、愛知県、東京都を訪問し、政府や各知事、日本大手企業幹部らとの面談を重ねた。また、2022年4月、日本企業によるテキサス州でのさらなるビジネス拡大を促すためジェトロにビデオメッセージを寄せた。知事はここで「テキサス州と日本は地理的には離れているが、この距離のギャップは投資と経済発展を促進することで埋めることができる」とし、日本に向けて同州との協力機会の拡大を呼びかけている。

州知事選の速報は、2022年11月9日記事参照

(注)テキサス州知事の任期は4年で、再選の上限はない。

(桜内政大)

(米国)

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