2021年の対GDP比研究開発費の割合は3.13%、目標は3.5%
(ドイツ)
ミュンヘン発
2022年11月30日
ドイツ科学助成財団連盟(Stifterverband für die Deutsche Wissenschaft)は11月18日、2021年のドイツの研究開発費に関する調査結果を発表した。この調査は教育・研究省の委託を受けて、同連盟が毎年行っているもの。
同調査によると、2021年にドイツ企業が自社内研究開発に支出した額は752億ユーロ(前年比5.9%増)だった。また、ドイツ企業が国内外の他社・大学・研究機関に研究開発を委託した額は261億ユーロ(同14%増)だった。
自社内研究開発費を産業別にみると、情報通信が前年比約9%増の高い伸びを示した。自動車は前年比約14億ユーロ増の250億ユーロ超となった。ただし、2019年よりも約24億ユーロ少なく、新型コロナウイルス感染拡大前の水準には戻っていない。研究開発に携わる人員(常勤・パートタイムなどの非常勤)を常勤雇用数に換算した人数は、2021年に47万7,000人で、前年比2.1%増となった。
また、ドイツの2021年のGDPに占める研究開発費の割合は3.13%となった(速報値)。うち、民間企業が2.09%、大学・国が1.05%(注)。2020年もGDPに占める割合は3.13%で、過去10年間でもっとも高かったのは2019年の3.17%。OECDによると、イスラエル(5.44%)、韓国(4.81%)、スウェーデン(3.49%)などが上位を占める(全て2020年)。日本は3.27%(同)。
2021年12月に発足した連立政権は連立協定書(2021年11月26日記事参照)で、「2025年までにGDPに占める研究開発費の割合を3.5%まで高める」ことを目標に掲げ、10月には「研究開発に関する未来戦略」を発表、ここでも「3.5%目標」を明示した。ベティナ・シュタク=バツィンガー教育・研究相は今回の調査結果の発表に際して、10月発表の未来戦略などを通じて「野心的な3.5%目標を達成する」とコメントしている。
(注)小数点以下処理の関係で、足し上げた数字が3.13%にならない。
(高塚一)
(ドイツ)
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