ベンガルール地域で輸入時の税関トラブルが増加傾向

(インド、日本)

ベンガルール発

2022年11月21日

新型コロナ禍からのインド経済の回復を背景に、ベンガルール地域に進出する日系製造業の生産活動が本格化している。それに伴い、インド国内への部品・原材料などの輸入時の税関トラブルが増えている。これまで問題なく輸入通関できていた部品・原材料が「ある日突然、HSコードが間違っていると税関からクレームを付けられた」といった相談がジェトロにも複数寄せられている。

こうしたトラブルが起きるタイミングは予見不可能だが、税関の担当者が代わったタイミングなどは特に注意を要する。日本・インド包括的経済連携協定(日印CEPA)で参照すべきHSコードのバージョンに関する見解の相違、つまり、日印CEPAではHS2007版が採用されるべきだが、税関(注)でHS2022版を適用するよう求められたなどの事例もある。いずれも、インド国内では以前から起きている類いのトラブルで、インド以外の国でも頻繁に起きる問題でもある。

ジェトロのヒアリングベースでは、受注残を抱える企業も少なくない。輸入が増えるほどに、こうした税関でのトラブルは増回する傾向にあるため、今後、インド国内への部材輸入が増える企業はあらかじめ注意が必要だ。

(注)ベンガルール地域ではチェンナイ税関を利用する日系企業が多い。

(水谷俊博)

(インド、日本)

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