上海での第5回輸入博が閉幕、成約総額は前年比3.9%増の735億ドル

(中国)

上海発

2022年11月14日

上海市で11月5日から開催されていた第5回「中国国際輸入博覧会」(2022年11月9日記事参照)が10日に閉幕した。主催機関の中国国際輸入博覧局によると、輸入博の成約総額は前年比3.9%増の735億2,000万ドル、累計入場者数は46万1,000人となった(11月10日正午時点)。

今回の輸入博には、145の国・地域と国際組織が参加した(注)。出展企業は2,800社以上で、438の新たな製品や技術、サービスを紹介したほか、フォーチュングローバル500にランクインする企業284社や業界トップ企業が出展した。これらの企業のうち、輸入博に再出展した割合は90%に達した。出展企業の動向としては、自動車部門に世界の主要メーカー15社などが参加し、カーボンニュートラルや新エネルギー自動車(NEV)をコンセプトとした展示を行った。技術装置や消費者向け商品の分野でも、カーボンピークアウトや持続可能な生活スタイルなどに関連した展示がみられた。製薬分野では世界の主要企業15社、医療分野では10社などが出展をした。

米中ビジネス評議会(USCBC)によると、今回の輸入博には前回と同等規模の200社程度の米国企業が出展し、「どの企業も出展面積を増やしたいと考えているようだった」という。また今回、中国石油化工(シノペック)や宝鋼集団、英国石油大手シェル、ドイツの化学大手BASFの4社は二酸化炭素(CO2)の回収・利用・貯留(CCUS)プロジェクト開発に関する協力覚書(MOU)を締結した。シェルはプレスリリースで「中国のCCUS技術の多くが商業化に近づいている、あるいは達している状態だ。主な課題は大規模なCCUSへの実質的な投資を支援する環境を創出することだ」と述べた。

輸入博の主催機関は次回輸入博の開催について、展示スペースのうち既に10万平方メートル分の参加企業登録が成立したことを明らかにした。

(注)輸入博参加には、新型コロナウイルス感染防止のため、来場者に2回以上のワクチン接種や毎日のPCR検査を求めるなど徹底した防疫措置が取られ、輸入博での新型コロナウイルス感染者ゼロを達成したという。

(神野可奈子)

(中国)

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