合計特殊出生率が2.7から1.9へ大幅に低下
(フィリピン)
マニラ発
2022年11月28日
フィリピン統計庁(PSA)は11月11日、2022年の合計特殊出生率(TFR、注1)が1.9だったと発表した。2017年の2.7から大きく減少し、人口置換水準(注2)である2.1を下回った(政府通信社2022年11月14日)。
フィリピンのTFRは、1人の女性が平均して6人を出産していた1970年代から継続して低下傾向にあり、1993年から2022年にかけて半減した。また、2017~2022年の減少率は過去最大だった(添付資料図参照)。フィリピン人口開発委員会は、TFRの低下について、政府の人口と経済・社会開発に関する政策にとって前進であると同時に、フィリピン人の家族計画が向上しつつあるとの見解を示した。
同国のTFRは、シンガポールの1.1、タイの1.5に次ぎ、東南アジアで3番目に低い水準となった。また、フィリピン人口開発委員会は、出生率が低下し、人口動態が変化することで、貧困の削減や労働力率(注3)の上昇といった経済的な便益をもたらすとの認識を示した(「インクワイアラー」紙11月15日)。加えて、63%を上回る、高い水準での労働力率が2030年から2035年まで継続するとコメントした。
(注1)15~49歳の1人の女性が一生の間に生む子供の数の平均値。
(注2)人口置換水準とは、人口が長期的に一定となる出生の水準を意味する。
(注3)生産年齢人口(15歳~64歳)に対する労働力人口の比率。
(吉田暁彦、サントス・ガブリエル)
(フィリピン)
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